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無添加せっけんを使い、水質汚染が改善した島

もともと「せっけん」は自然の天然素材で作られていました。
しかし、石油を原料とした合成洗剤が開発され、日本では1963年にせっけんの使用量を上回ったそうです。
そこから、約60年あまりで水質汚染は大きな問題となっています。

洗剤には、自然界では分解されない成分が含まれる

洗剤には、アルカリ性洗剤、酸性洗剤、中性洗剤、塩素洗剤など、さまざまな種類のものがあります。
それぞれの用途で汚れが落ちるのかが変わってくるので、使い分けて使用することは大切です。
ですが、合成洗剤には自然界では分解されない成分が含まれており、水質汚染から、自然破壊、極め付けは健康被害にも影響を及ぼしています。

よく聞くのは、界面活性剤です。

界面活性剤は、汚れを落とすのに優れているのですが、自然界では分解できない成分なので、環境に大きな負荷を与えます。
天然の界面活性剤も存在しますが、合成界面活性剤の方が洗浄力が高く、大量生産できることから、さまざまな原料に使われるようになったのです。

水質が改善された島

福岡県宗像市の離島において、水質汚染が改善されるかの実験が行われたそうです。
この実験では、化学物質などを含む合成洗剤の使用を止め、無添加せっけんのみを利用することが試みられました。
離島の約140人の住民に対して、3ヶ月間にわたり実施されたこの取り組みは、水処理場から海に放流される水に含まれる有機物の削減に成功したそうです!
その結果、水質は格段に改善され、微生物の種類も増加し、微生物の量も増えることで食べカスや皮脂などの汚れが効果的に分解されました。
3ヶ月間の実施において、大きな効果が実証されたので、長期的な取り組みがさらなる期待を膨らませる結果になっています。
〈無添加石けんは環境にやさしい!〉 島まるごと実証実験プロジェクト結果

 

水質汚染は家庭からも多く排出

水質汚染の原因は主に工場の産業排水であることが多いですが、生活排水も大きな影響を与えているのをご存知でしょうか。
例えば、キッチンやお風呂、洗濯物など、多くの家庭から流れる洗剤や化学物質が水質を汚染している原因になっています。
令和元年度の日本の下水道普及率は91.7%となっており、ほとんどの家庭から出る排水は浄化された状態で自然界に戻っています。
しかし、私が住む沖縄の田舎の一部では、家庭からの洗剤が川に直接流されていました。
その川は泡で濁り、魚はおらず異臭が漂っており、海や周辺の土壌を汚染してる地域もあります。
この残りの数パーセントでさえ、景観が変わってしまうほど、すさまじく強い洗剤の威力が分かるでしょう。
もし、沖縄全土で無添加せっけんのみを使用すれば、より清潔で美しい環境が残せるのではないかと本気で考えています。

 

使うものを選択する

現在、多くの洗剤が市場に出回り、合成香料やマイクロビーズなどの自然界に不必要な物質が海や川、土壌に流出しています。
私たちは地球を汚すのではなく、使うことで微生物を活発にし、自然を守ることができるような取り組みが求められています。
私たちの行動が、地球環境へのポジティブな影響をもたらす一歩になるよう使うものを選択できるようにしていきましょう!

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