マイピックアップNo. 701

ルッキズムな世の中で意識したいこと

SDGsの持続可能な開発目標の10番目に、「人や国の不平等をなくそう」というものがあります。  

具体的には、年齢、性別、人種、民族、生まれ、障がい、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が社会的、経済的、政治的に取り残されないように、そしていかなる理由による差別があってはならないとしています。  

今回取り上げたい「ルッキズム」は、外見だけで人を判断したり差別したりする行為であり、わたしたちが克服すべき課題なのです。  

ルッキズムは、Looks(見た目)とism(主義)を合わせた造語で、外見がその人間の価値を測るのに一番重要だという思想を指します。 
最近では「外見至上主義」などとも言われています。また、その容姿だけを理由に差別的な言動や態度を行うことも意味しています。 

 人間はどうしてもまず外見で判断する傾向があり、多数派の意見に流されやすいことも、ルッキズムを加速させる一因といえます。  

また、ルッキズムが生じる他の理由として、メディアによる影響が大きいとされています。 
例えば、痩せている体型が美しく価値あるものとして取り上げられることで、多くの人が健康面外でダイエットをしなければと考えがちになっています。 
そしてSNSの発達・普及もルッキズムに拍車をかけています。 
SNSの高評価や注目をもらうために、外見がその人の価値になり、容姿を良くしたいためにすべてアプリで加工する人も少なくありません。 
またその結果、加工では足りずに美容整形を選ぶ例もあり、深刻な社会問題となっています。 
また、誰に言われたわけでもないけれど、その評価される容姿と異なることに落ち込む人も生まれてしまいます。 
もちろん、外見の長所を生かした職業につくというのは自由です。 
でも、そうではない人を勝手に土俵に上げて採点したり評価するのはいけないこと。  

それでは私たちはルッキズムな思考から離れ、とらわれないでいるためにはどのようなことを意識するべきかを挙げてみます。  

ありのままの自分を大切にする 
見ず知らずの人や世間の評価を基準に自分を見ずに、一人ひとり違うことが当たり前だと受け入れ、自分自身を大切にしましょう。 
また、外見や美を重きとするメディアやSNSから距離を置くことでステレオタイプや無意識の価値観から解放されることにつながります。  

身近なルッキズムを認識する 
自分の周りにおいて、誰かが他人の外見について発言や評価をしていないか意識を向けることが大事です。 
そうしたルッキズムな言動に気づいた時には助長するのではなく、相手にもルッキズムな思考であることを認識してもらうよう促すことで、偏ったネガティブな感情を抑えることができるかもしれません。   

もちろんそれぞれが思う美しさを意識することは大切ですが、偏った美しさに囚われないようにすることが「ルッキズム」な思考から脱するポイントでしょう。  

また、これから成長する子供たちに「個人の価値が外見で決まる、評価される」という思想を与えないようにする子育てや教育が、未来の社会を変え、SDGsの目標達成につながる行動になるでしょう。 

    miaki.i

    フランスの小さな町に住んでいます。 関心ごと:衣食住におけるエシカル消費、環境問題、ゼロウェイスト、食にまつわる取り組み、社会問題

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