腸内細菌叢はそんなに簡単に整うのか?
こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。
<腸内細菌を整えて健康に!>新聞、雑誌、CMや広告でよく耳にする文言です。ヨーグルトにもお茶にもサラダにもお菓子にも書かれているのも見かけます。今回、腸内細菌叢を整えることはそんなに単純なものではないと専門家が発言しているのを日経新聞で目にしました。例えるなら腸内細菌叢は宇宙だと表現されています。宇宙にある星の数が正確に分からないように、腸内細菌叢も全体像はまだまだ見えてこないそうです。それなのにも関わらず、今、世の中にあるものはあたかも解決できるかのような表現を広告やパッケージにデザインされながら製品が売られています。
私は科学者ではないですが、”人は9割が細菌でできている”という本を読み、大きなパラダイムシフトが自分の中で起きました。その本の中では人間である部分(臓器やパーツなど…)は10%未満であり、人は9割が細菌でできているということが学術論文とともに書き記されていました。右手の人差し指の先端には、イギリスの人口と同じ数の細菌が蔓延っている。スマホについている細菌はトイレの便座よりも多く、その細菌は、口腔内細菌、そして何よりも腸内の中に一番数が多いと言われています。腸内細菌叢はその数1000~2000種類、40兆個ともいわれる集団からなっています。最近の研究はもっぱらこの腸内細菌叢と、病気や予防の関係性を証明していくものが注目も浴びています。
「コレステロールを分解する腸内細菌」「血糖値を下げるインスリンの働きに関わる種類の特定」――。腸内細菌の研究は盛んで糖尿病や動脈硬化など多くの病気との関係が報告される中で、腸内細菌叢が、適切に管理できることができれば健康にも大いに役立つと言われていて、解明への期待は昔からとても大きいです。
ところが大きなビジネスチャンスにもなった腸内細菌叢は、そのブームの中であまりにも雑な表現の中で製品がたくさん市場に並ぶようにもなってもいます。国立遺伝学研究所の黒川顕教授によると、『多くの商品は単純なモデルに基づいた解析であって、残る多くの菌種の影響をまるで無視しているため実際には体内への影響は大きく異なるのではないか』と指摘しています。
私たち消費者は、価値のあるものにお金を払いたいと思って、その商品の味や値段だけでなく、打ち出しているその商品の”ベネフィット”を買っています。将来にもたらされると信じている自分の健康を買っています。健康は無料じゃないとわかっているからこそ、ジムやヨガにお金を払い、体に悪いものを除いて、体に良いものを取り入れたいと思っています。消費者と健康商材を扱うメーカーとの間にある信頼関係を崩さないように注意喚起が高まればいいなと今回の記事を読んで思いました。
健康になりたいと思い購入し続けていた紅麹で健康被害が出ているのも記憶に新しく、そしていまだに解決もされていません。日本のトクホのルールの甘さや、食品に対してるルールのゆるさが、わかりやすいようで、間違っている広告が、これからも多くの誤解を生まないよう、新しいガイドラインが急務で必要なのではないか?と、そう願うばかりです。