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「何でも買い取り」
リユースのインフラへ。
従業員も幸せにするビジネスモデル
株式会社エコリング

企業プロフィール
2001年、インターネットコンテンツ会社を創業。
2002年、インターネットオークション販売を開始、姫路1号店を設立。
業界最多の国内店舗数186店舗、海外店舗数5店舗、従業員数400名(2022年12月現在)
「他社が断るものでも、何でも買い取る」ことで知られる。
2022年11月株式会社ESP総研による市場調査「SDGsに最も取り組んでいるリユース・リサイクルショップ」1位選出。

サステイナブルな取り組みについて

2021年4月「国連グローバル・コンパクト」に著名。
2021年6月「B Corp認証」取得。
リユース事業以外にも社会貢献、地域、社内に向けて取り組み多数。
全国各地の店舗や会社、施設などに専用の寄付BOXを設置し、寄付品を海外のこどもたちの支援に役立てる「えがおプロジェクト」、キッザニアのパビリオン出展、海外ボランティア研修、働き方への取り組み、募金・寄付の取り組みなどがある。
SDGsの取り組み詳細 https://ecoring.co.jp/sdgs

非常に認証ハードルの高いシステムとして認知されているB Corp認証を日本で7番目取得したエコリング。取得に向けて取り組まれたことや、現在に至るまでの事業のあゆみなどをコンプライアンス部の大和田さん、村上さんにお聞きしました。

日本国内ではまだ取得が少ないB Corp認証を取得された経緯について。
取得にあたって取り組まれたことなどを教えてください。

(大和田さん)
今、日本国内でも認証企業が15社(2022年12月現在)になりましたが、取得した時点では、国内最高スコアで、100点(200点満点中)を超えました。まだやることがあるという気づきになっています。認証機関がアメリカなので語学の壁もありました。
ちなみに世界最高スコアが150点ぐらいでパタゴニアさんですね。

(村上さん)
弊社の事業のビジネスモデルの部分が、環境への貢献というところで点数を高く評価していただけたという風に思っております。

実は私たちはB Corp認証取得というものを軽く考えていたのですが(笑)
実際やってみたら14点しか取れなかったところから始めて、色んな制度も設定するなど3年で104点に到達しました。
事業以外で特徴的なのは、従業員からのボトムアップで取り組み、社員満足を高めている点でしょうか。
例えば、本社の建物が古いということもあり、トイレに「音姫」という装置を取り付けました。これは女性だけの委員会で、女性の悩みを解決するような役割もあり、そこからの要望で実際に取り入れています。
このような小さいことの積み重ねも大事だと思っています。

▲サステイナビリティの取り組みのひとつ「えがおプロジェクト」

サステイナビリティが社風に浸透しつつある

取得されようと思ったのはなぜなのでしょうか?

(大和田さん)
海外研修に行ったときに、ソーシャルビジネスに力を入れている会社さんが多いという気づきがありました。中でも、B Corp認認証取得されている企業さんのお話を聞いて、これは素晴らしいものだし、日本でも4社取得していたので、我々も取ろうっていうことで、さっそく取り組みました。

取得されてからの反響や変化などいかがでしょうか?

(村上さん)
サステイナビリティの取り組みをしていることや、透明性が高いところを企業の取引先として選ばれる傾向が強くなっていると思いますし、大手の取引先が増えてきている実感はあります。またメディアで取り上げていただく機会も増えて、会社として認知向上にも寄与しているのかなと思います。
社内で社員全員1人1人がそういう意識を高く持つという部分は、まだ課題としては大きいのですが、B Corp認認取得したことで、サステイナビリティついて、環境問題についてアンテナをはっていこうという意識は社風の1つにはなっています。
ほかには学生さんの就職活動で、B Corp認認ご存知の方がいて、優秀な学生さんにアプローチができているのかなというのはあります。

「買ってから売る先を考える」で
事業そのものが社会にとっていい仕組み

今、特に力を入れている取り組みというのは?

(大和田さん)
私たちは、お客様から買い取りをさせていただいて必要な人たちにお届けしますが、買い取りさせていただく時に、この買い取りさせていただくことによって、どれだけCO2排出量が削減されるかというのを、数字で可視化して、お客様に個別にお知らせさせていただくというサービスを11月から始めさせていただいています。
意図としてはそういうことやったら「面白そう、楽しそう」が始まりですけども、それを1つの動機付けなればと。
廃棄を減らしてリユース、リサイクルを進めていきたいということに最も注力しています。

(村上さん)
事業にダイレクトに繋がる取り組みと、社会貢献の一環としてこう取り組んでいる取り組みがありますが、CO2削減の可視化は、どちらかというとダイレクトに関わる取り組みになっています。
弊社はリユース事業を非常に昔から大切にしています。
やはり同業他社さんだと高額系のブランド品や、基金属を扱うことが多く、それ以外の商品は扱っていない会社さんも多い中で、本当に身の回りのものを「なんでも買います」というところを大切にしています。
「買ってから売り先を考える」という考え方で、色々、海外への展開で工夫しながら、少しでも廃棄を減らしていきたい。世の中からゴミを減らしていきたいっていうようなところにこうフォーカスして事業を行っております。
その部分がB Corpでも高く、評価をされていて、事業そのものが、社会にとっていい取り組みということで、お客様自身にも、売るだけで、環境問題に貢献しているというところも実感していただけたら嬉しいです。
最近のお客様アンケートでも、お金のために売るっていうよりも、「もったいないから」とか、「ゴミを減らしたいから」という理由で、利用される方が増えてきています。

強みは売り先を探しだせること。

(大和田さん)
売り先を見つけさせていただいて、必要な方々を探すというところが、我々の付加価値があるのかなと思います。
リユースショップとして誤解されがちなのは、本当に商品を右から左に流して、いわゆる利ざやで儲けているイメージをされるのですが、私たちの存在意義としては、ゴミを少しでも減らして、必要な方に、まだまだ使えるっていうものをお届けするところに、自分たちの使命があると思っています。
そこに価値をつけることができるのは我々の強みだと思っています。
これが大変なのですが…(笑)

▲一見、クタクタ、ボロボロものでも買い取ってから売り先を見つける

事業を始められたのはどのような経緯だったのでしょうか?

(大和田さん)
私たちのエコリングのビジネスをマンガにした、「エコリング創業物語」というのを出していまして…ぜひ一読いただければ(笑)
弊社の代表は、元郵政省の官僚で国家公務員でした。郵政民営化のタイミングで退官して、ビジネスを起こそうと1番最初にインターネット事業をはじめたものの、うまくいかず、生活を維持するために身の回りのものを売却していったというところからスタートなんですよ。

▲桑田一成代表の生い立ちから創業までの流れ、どのように成長させてきたかをマンガで詳細に描いた創業物語。(Amazon

従業員が幸せであることを究極のビジネスの目的。
女性活躍の取り組みも評価が高い。

経営されるにあたって大事にされていることは何でしょうか?

(大和田さん)
経営者の言葉をちょっと借りると従業員が幸せであることを究極のビジネスの目的としているところがあります。
我々が幸せになることによって、お客様にも幸せを提供できる、周りを幸せにすることができるということで、まず社員が仕事しやすい環境の構築を会社がして、給料を水準よりあげたり。
実際に、B Corp認証などを通じて、社会問題を解決するような心の豊かさも育てあげる、というのを非常に重要視しているのは、他社と違うところかと思います。

社内環境の取り組みも力を入れられていますね?

(村上さん)
兵庫県の女性活躍推進法に基づく兵庫労働局管内認定企業、姫路市の姫路女性活躍進企業表彰というのもいただいています。
女性活躍の取り組みに力を入れてきているというところは、第三者の評価もいただいているのかなと思っています。
女性だけのプロジェクトチームを組んで、ボトムアップで制度化される仕組みのほか、社員満足度交渉委員会という社員の満足度を高めるような組織もあります。
そういった中で従業員の働きやすい要望を聞いて制度化しています。
例えば時短勤務について。子供が生まれて、子供が小学校に上がる6歳まで時短勤務が認められていましたが、ちょっとそれだと、まだ短いということで、子供が小学校卒業するまでは時短勤務を続けたいという声が社員から上がりまして、それを委員会としてもあげることで、小学校卒業するまで時短勤務が認められております。
そういった制度がいくつも存在し、取り組んできたことで、賞を受賞できたという経緯があります。

社内の変化は感じられますか?

(村上さん)
やはり離職率が減っているというのはあります。
また、社会課題に対してアンテナを貼る人が増えてきてくれた印象です。
ボランティアに行ってきた話とか結構色んなところから聞こえてくるようになりました。

2018年には弊社代表が「社会問題解決型組織を目指す」と、年に1度、全社員が集まる会社の経営方針会の場で宣言していまして、1人1人、社会問題解決型組織の一員という意識を持つことがみんなの中もありますね。

これからの展開で新しいことなど考えられていますか?

(村上さん)
コロナ禍の間中止になっていた海外ボランティア研修が復活する予定です。
弊社グループ会社のあるタイと、ミャンマーの国境付近に、国籍を持たない子供たちの児童施設がありまして、そこでボランティアの研修を行います。海外へのボランティア研修を復活させることで、従業員の意識向上に力を入れていきたいというのはあります。

(大和田さん)
具体的な形になっているわけではないですが、ほかの企業さんとコラボレーションをして、やっていこうとは考えています。単独で社会を良くしようっていうよりはやっぱり、何社かまとまるとできることがあると思っています。

不用品を持ち込むだけで、社会貢献活動ができる

最後に、ユーザーの方に向けてメッセージをお願いします。

(大和田さん)
エコリングは、リユースのインフラになりたいっていう思いがあるんですよ。
ものを捨てる社会から脱却するために、気軽に我々をぜひ使っていただきたいです。
ただご不用品を持ち込みいただくだけで、地球に環境に優しい活動ができるっていうことを我々を使わなくてもいい、どこの会社でもいいんですけど。
大量生産、大量廃棄のない活動を皆さんにもご参加いただけたらありがたいです。

(村上さん)
年末、年度末にかけてお片付けをされるシーズンになります。ゴミとして出す前に1度立ち止まって、リユース、リサイクルできないかということを考えていただきたいです。

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編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。