SDGs達成に向けたクリーンエネルギー・ソーラーパネルの弊害
SDGsの「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では石炭、石油、天然ガスなどの限られた資源からの脱却を目指しています。従来のエネルギーに替わる新エネルギーは「クリーンエネルギー」「再生可能エネルギー」ともいわれ、なかでも「太陽光」は最も普及してポピュラーといえるのではないでしょうか。
太陽光発電するための「ソーラーパネル」は、個人でも設置することができ、馴染み深いですが、最近ではソーラーパネルによる弊害がいくつか取り沙汰されています。
〇メガソーラーによる森林破壊
メガソーラーを設置するには広大な土地が必要になりますが、平地がないとなると、わざわざ森林を切り開いて周囲の自然を荒廃させる乱開発が問題になっています。
大規模な自然地形を失くし、森林を切り開き、生態系が失われていくのはSDGsの「持続可能な開発目標」とは正反対のこと。
その結果、大雨による自然災害に伴い、メガソーラー開発が原因とされる地すべりや土砂崩れが起こっています。2018年7月の豪雨で、西日本を中心に、太陽光発電設備が設置された敷地で11件の土砂崩れが発生。兵庫県神戸市では、太陽光発電所が崩落し、新幹線が一時ストップし、施工の不備が浮上していました。2019年度は7件(経済産業省)。設置された場所にとどまらず、周辺の山林や河川など広範囲に影響が及ぶといいます。
現在、全国各地でメガソーラー計画に反対する市民団体、条例を厳しくする自治体が増えてきています。年々、気候変動に伴う大雨と自然災害が増えていますが、気候だけの問題ではないようです。
〇ソーラーパネルのゴミ問題
ソーラーパネルの耐用年数は20~30年。寿命を迎えると産業廃棄物として適切な処分が必要になります。FIT制度によって一気に導入量が増加したため、その量が2040年には約80万トンになるといわれています。そうなると廃棄処分費用を捻出せず、不当放棄されることも考えられます。
ソーラーパネルは鉛やセレン、カドミウムといった有害物質が含まれている場合があり、不法投棄や放置によって土壌に有害物質が溶け出し、環境汚染や人体へ影響を及ぼす可能性もあります。最終的にやっかいなゴミになってしまうことを考えると「持続可能な開発目標」には影を落とすように思います。これからのリサイクル技術の開発で、ゴミになるしかないことは避けたいものです。
SDGsのターゲットで
「7.2 2030年までに世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる」
と掲げられていることもあり、多様なエネルギーの利用や技術で、自然環境を生かし、本末転倒にならないようにしたいものです。