ヴィーガン×ゼロウェイスト 地球にやさしいピクニックの始め方

自然を守りながら、最高の休日を過ごそう
週末に友達や家族とピクニック。青空の下で食べるご飯は格別ですよね。でも、楽しい時間の後に残るゴミの山を見て、ちょっと複雑な気持ちになったことはありませんか。実は、ピクニックの楽しみ方を少し工夫するだけで、自然環境を守りながら最高の時間を過ごすことができるんです。
なぜゴミを減らすことが大切なの?
プラスチックごみは海洋に流出し、魚や海鳥が誤飲することで生態系に深刻な影響を与えています。さらに、世界中の固形廃棄物の量は2050年には現在の約1.7倍になると予測されており、このままでは地球環境が危機的状況に陥ってしまいます。
最近、「ゼロウェイスト」という考え方が世界中で注目されています。ゼロウェイストとは、無駄や浪費をなくし、ごみをそもそも出さないようにする取り組みのことです。1996年にオーストラリアで始まったこの活動は、日本でも広がっており、2003年に徳島県上勝町が日本初のゼロウェイスト宣言を行いました。
ゴミを出さないピクニックの工夫

1. 再利用できる容器を使おう
使い捨てのプラスチック容器やビニール袋は、一度使っただけで捨てられてしまいます。代わりに、何度も使える容器を選びましょう。
おすすめアイテム:
- ステンレス製のお弁当箱(保冷効果もあって便利)
- 布製のサンドイッチラップ(洗って繰り返し使える)
- ガラス製の保存容器(見た目もおしゃれ)
- シリコン製のストロー(飲み物用)
- 竹製のカトラリーセット(軽くて丈夫)
2. マイボトル・マイカップを持参する
ペットボトルや紙コップの代わりに、保温・保冷機能付きのマイボトルやタンブラーを持っていきましょう。冷たい飲み物も温かい飲み物も長時間楽しめます。
3. 食べきれる量を準備する
食品ロスもゴミの大きな原因です。参加人数に合わせて適量を準備し、余った場合は持ち帰れるように容器を用意しておきましょう。
4. 自然に還る素材を選ぶ
どうしても使い捨てが必要な場合は、紙製や竹製など生分解性の素材を選びましょう。最近は環境に配慮した商品が増えています。
野菜中心のヴィーガンメニューがおすすめな理由

実は、お弁当の内容を見直すことも環境保護につながります。特に畜産業は環境に大きな影響を与えているんです。
畜産業と森林破壊の関係
国連報告書によれば、工業型畜産は地球上で最も土地を使用しており、お肉の生産は地球の陸地の26%を利用しています。さらに、牛肉生産によるGHG排出の約9割は土地利用変化による排出が占めており、畜産を含める工業型の食料システム全体が、森林破壊の原因の80%を占めるとされています。
アマゾンの森林破壊の91%が畜産業によるものであり、家畜の飼育や飼料生産のために広大な森林が失われています。このような森林破壊は、野生動物の生息地を奪い、地球温暖化を加速させる原因にもなっています。
関連記事:森林伐採が止まらない。世界で1分間に東京ドーム2個分の森林が消失している事実
参考:牛肉生産と環境負荷 – WWFジャパン
参考:畜産業の環境問題 – グリーンピース・ジャパン
ヴィーガンピクニックのメリット
野菜中心のメニューに切り替えることで、こんな良いことがあります。
- 環境負荷の軽減: 肉の消費を減らすことで、間接的に森林破壊を防ぐことができます
- ヘルシー: 野菜や豆類は栄養豊富で、体にも優しい
- カラフルで楽しい: 色とりどりの野菜は見た目も華やか
- 軽い食感: ピクニック後も体が重くならず、活動的に過ごせます
簡単で美味しい!ヴィーガンピクニックメニュー
メインディッシュ
1. カラフル野菜のサンドイッチ 全粒粉パンにアボカド、トマト、レタス、きゅうり、にんじんを挟んで。フムス(ひよこ豆のペースト)を塗るとコクが出ます。
2. ひよこ豆のファラフェル 中東の人気料理。ひよこ豆をハーブと一緒にコロッケ状に。冷めても美味しく、タンパク質もたっぷり。
3. 野菜のおにぎり きのこの炊き込みご飯や、梅と大葉のシンプルなおにぎり。海苔で巻けば見た目も◎
サイドメニュー
1. ロースト野菜のマリネ パプリカ、ズッキーニ、なすをオリーブオイルでロースト。バルサミコ酢とハーブでマリネすれば、前日に作っておける作り置きメニューに。
2. フムス&野菜スティック にんじん、セロリ、パプリカを切って、ひよこ豆のディップに付けて。
3. キヌアサラダ キヌアにトマト、きゅうり、パセリ、レモン汁を混ぜて。タンパク質も取れるヘルシーサラダ。
デザート
1. フルーツの盛り合わせ 季節のフルーツをカットして。シンプルだけど最高のデザート。
2. エナジーボール ドライフルーツとナッツをフードプロセッサーで混ぜて丸めるだけ。自然な甘さで満足感あり。
3. 豆乳プリン 豆乳とアガー(寒天の一種)で作る、つるんとしたプリン。前日に作って冷やしておきましょう。
当日の持ち物チェックリスト

□ステンレス製や天然素材の再利用可能なお弁当箱・容器
□マイボトル・マイカップ
□ 布製ナプキン・手拭きタオル
□ステンレス製や天然素材の再利用可能なお弁当箱・容器のカトラリーセット
□ シリコンストロー
□ 食べ残しを持ち帰る容器
□ ゴミ袋(分別用に数枚)
□ レジャーシート
□ ウェットティッシュ(使用後は持ち帰り)
ピクニック後は?
楽しい時間を過ごした後は、来たときよりもきれいにして帰りましょう。自分たちのゴミだけでなく、落ちているゴミも拾えたら素敵ですね。
持ち帰ったゴミは、きちんと分別してリサイクルに。食べ残しがあれば、コンポストで堆肥にするのもおすすめです。
まとめ:小さな一歩から始めよう
完璧なゼロウェイストを目指す必要はありません。まずはできることから始めてみましょう。マイボトルを持っていく、サンドイッチを野菜中心にしてみる、そんな小さな選択の積み重ねが、地球の未来を変えていきます。
現在のペースで肉や乳製品の消費が進んだ場合、インドの土の2倍に当たる森林を畑にする必要があると言われています。私たち一人ひとりの食の選択が、地球の未来を左右するのです。
次のピクニックから、ちょっとした工夫を取り入れてみませんか。環境にやさしい選択をしながら楽しむピクニックは、きっといつも以上に特別な思い出になるはずです。青空の下、美味しいヴィーガン料理を囲んで、自然との調和を感じる素敵な時間を過ごしてください。
参考:
- ゼロウェイストについて: IDEAS FOR GOOD
- ヴィーガンレシピ: ブイクック














