SDGs特選コラムNo. 17

「スーパーソル」で色付き空き瓶リサイクル

持続可能な開発目標=SDGsの「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「12. つくる責任、つかう責任」、「13.気候変動に具体的な対策を」にも関連する「スーパーソル」をご存知でしょうか。簡単にいうと、ガラス瓶をリサイクルして製造した “人工的な軽石” です。

家庭や飲食店などで使われたガラス瓶の多くはリサイクルやリユースされますが、青や赤といった色つきのガラス瓶は溶かすと黒くなるため、リサイクルできず埋め立てられます。ガラス瓶の埋め立ては環境への影響も大きく、「12. つくる責任、つかう責任」について問われることになるのです。

そこでいま、埋め立て処分せざるを得ない色つきのガラス瓶からリサイクルしたスーパーソルを、さまざまな用途で活用する試みが関心を集めています。

廃ガラス瓶を紛糾、焼成発泡して作る人工の多孔質軽量発泡資材(人工軽石)・スーパーソルは、地球にやさしい土壌還元型資材で、透水性や保水性、耐火性、断熱性などの特徴をもっています。製造工程で比重や吸水率を自由にコントロールし、緑化・断熱・園芸など多岐にわたる分野で対応できるため、資源循環型の社会構築において必要不可欠な高付加価値をもつ資材として考えられています。

スーパーソル活用事例

例えば、スーパーソルを骨材にして軽量の断熱ブロックを作ることも可能です。これを屋上に敷き詰めるだけでも室内温度を下げ、CO2削減の効果が期待できます。
また、水はけが悪く農作物の栽培に適さない農地などに使用して、水はけのよい農地へ再生すれば、農作物の成長を助けることはもとより、農業機械の作業性が向上し、農作業の効率も改善されるでしょう。

意外なところでいうと、伊勢えび蓄養施設でも活躍しています。伊勢えびを出荷するまでの生簀で、水質浄化資材として採用。多孔質のスーパーソルは、ろ過材としても有効で水質維持能力に優れることから、水の入れ替え頻度の大幅な削減を実現、環境保全にも役立ちます。

令和2年度「SDGs未来都市」(内閣府)に選定された東広島市のこっこー(https://www.cocco-at.jp/)では、スーパーソルを製造し、販売・施工。これまで、回収されてもリサイクルとしての需要がなく、埋め立てるしかなかったガラス瓶は、環境への負荷がないエコ資材として今後さらに注目されるのではないでしょうか。
スーパーソルは、SDGsのテーマである「持続可能な開発目標」を現実のものにする潜在的な能力・可能性を秘めているという期待をもたせてくれます。

参考資料

ガラス発泡資材事業協同組合
http://www.supersol.jp/

 

編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。

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