SDGs特選コラムNo. 18

全国に広がる「子ども食堂」はSDGsに繋がっている

こども食堂をご存知でしょうか。子ども食堂とは地域の子どもたちが一人で気軽に行くことができる、無料もしくは安くで食事を提供してもらえる食堂です。
子ども食堂は2001年に民間団体が主体となって活動が始まりました。現在では約2,286カ所にも増え、全国的な広がりをみせています。

当初、子ども食堂の目的とは、一人きりで食事をしなければならない「弧食」の状態にある子どもや、十分に栄養のある食事を取ることが難しい家庭の子供たちをサポートするために始まった活動でした。その背景には、親が仕事などで常時不在であるといったことや、貧困などの理由で生活が苦しく食事が満足に取れない、などといった様々な事情を抱えた子どもたちが多くいたことが起因です。
厚生労働省が発表している国民生活基礎調査によれば、子どもの貧困率は2018年では14%となっており、母子世帯の86.7%は生活が苦しいと回答しています。

引用元:厚生労働省の2019年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf

このことからもわかるように、子どもや片親世帯の貧困層は近年増加しています。これらは決して見逃すことができない社会問題の内の1つとなっていますが、根本的な原因を解決することは難しく、容易ではありません。
そこで、せめて子どもたちの居場所を作り、温かく栄養のある食事をみんなで一緒に食べてもらいたいといった多くの人たちの想いから活動が広がっていきました。

子ども食堂は民間がメインとなり、運営費などは団体の持ち出しや、寄付、ボランティアで賄われてきました。ですが最近では自治体や企業、NPOなども運営や支援、援助を始めていて、賛同する団体が増えてきています。このような活動は国連が国際社会で2030年までに達成させることを目標に定めた「持続可能な開発目標」であるSDGsと繋がる取り組みだといえるでしょう。

SDGsは「誰1人取り残さない」をスローガンとしています。17項目ある目標の達成に取り組むため、自治体をはじめとした民間団体や企業は増えてきています。子ども食堂はその目標のうちの、1.「貧困をなくそう」2.「飢餓をゼロに」3.「すべての人に健康と福祉を」の目標達成に繋がる取り組みです。「貧困」は、現在の日本であまり関係のないテーマだと思われがちですが、その暗い影は少しずつ広がってきています。

みんなの居場所になりつつある

前述しましたが、子ども食堂は当初、貧困家庭や孤食の子どもをサポートするために始まった活動でした。ですが今ではそういった面でのサポートだけではなく、子育て中の親子が気軽に集まったり、単身のお年寄りが参加して子どもたちとふれあうことができる憩いの場ともなっています。そして食事のサポートとしての役割だけでなく、子どもの子どもの学習支援や居場所作りなど、今では各団体がそれぞれの特色を生かした活動を行っています。これらはSDGs目標3.「すべての人に健康と福祉を」や4.「質の高い教育をみんなに」にという目標にも繋がるものだといえるでしょう。

今後はボランティアだけにとどまらず、SDGsの一環として目標達成のためにも子ども食堂の運営に取り組む自治体や民間団体などの支援の輪が広がっていくことと思われます。

編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。

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