SDGs特選コラムNo. 36

SDGsのマネジメントの仕組み

私は仕事として、企業のマネジメントの仕組み構築に関するコンサルティングをしています。

2021年9月現在、私のクライアントの全てが何らかのSDGsの対応をされています。
その中には目に見える成果を挙げているクライアントもあれば、おざなりの対応に終始しているクライアントもあります。

SDGsに貢献する取り組みを会社が推進していく際、ベースとなるマネジメントの仕組みとして重要なことがいくつかあります。

・担当者の取り組みではなく、会社全体のPDCAサイクルに組み込むこと

私のクライアントの多くは、経営企画部門の中にSDGs担当者を選任しその担当者が会社全体のSDGs施策を立案・推進されます。
熱心な担当者が配属されているときは活性化して頑張っているけれども、そうではない担当者の場合は途端にトーンダウンしてしまいます。

それではやはり良くないということで、やはりマネジメント側からどのようなPDCAサイクルを回すか、ということを落としていく必要があります。
年間計画を立てその実行状況を定量的・具体的に把握すること、各部門の年間施策にSDGs関連施策を組み込んでいくこと、それらを月次/四半期で予実・見込把握すること、が重要です。

・チャレンジングな目標設定
会社文化として、達成できそうな低めの目標を設定しがちな傾向があります。
SDGs担当者のみならず各部門責任者も、それらの施策の実施結果で評価されるため、前例や成功体験のないSDGs計画立案はなかなかチャレンジングな目標を立てにくいものです。
その結果、本来のSDGsが目指す社会変革には程遠い、お茶を濁すような対応になってしまいます。
達成可能かどうかも重要ですが、手探りで進めていくフェーズにおいては極力チャレンジングな目標にすることと、成果よりもアクションに対する評価が重要です。

・計画は社会課題を反映させること
社会課題や影響度を認識し、取り組むべきテーマや施策を絞り込んでいくことは重要です。
例えば5年や3年に一度、中長期的な施策立案や統合報告書を作成する場合、
中長期に渡って通用するようなテーマ・施策にしようとし、結果として総花的・硬直的なテーマ・施策が出来上がりがちです。
そうすると直近での社会課題に対応しきれない、現場のKPIと乖離してしまい施策が置き去りにされてしまう、という事象が発生してしまいます。

結局、SDGsマネジメントにおいて重要なことは、社会課題や関係者との対話を深く行うことと、その声を拾うための仕組みの構築にあります。
社会は目まぐるしく動き、課題も日々変化します。それに伴い自社が行うべき課題も日々変わります。
時には原材料に対する課題がピックアップされ、時には包装材の課題が取り沙汰されます。
そういった社会の声を聴き、自社が取り組むべき課題を明確に実行する、そういったマネジメントサイクルを構築しなければなりません。
それがSDGsへの貢献を正しい方向に導くために、マネジメントや担当者が取り組むべきことだと考えます。

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