飲むだけでSDGsに貢献!廃棄炊飯米から誕生した「箔米ビール」
FAO(国際連合食糧農業機関)によると、世界の食品ロス量は13億トンに及ぶ。
これは食料生産量の3分の1にあたる量だ。
食品ロスの世界全体ランキング6位の日本では、年間612万トンが廃棄されている。
食べ物の無駄を減らし、将来の食料危機に備えるためにも
食品ロス問題は社会全体での解決が急がれる。
炊済みの廃棄米に新たな輝きを
コロナ禍で増え続ける廃棄炊飯米をクラフトビールにアップサイクルした商品が登場した。
カレー店主ならではの苦悩と葛藤を、6年越しの想いで形にした「箔米ビール」が
クラウドファウンディングで注目を集めた。
大阪に本社を置く株式会社ジパングフードリレーションズは、自社運営のFC店「ジパングカリーカフェ 」から大量に出る炊飯済みの廃棄米に着目。
アップサイクルにより「箔米ビール−白金−(ハクマイビール シロガネ)」として
応援購入サイト(MAKUAKE)にて先行販売を開始。
目標金額189,000円に対して、374%の708,550円の応援購入金額で大幅達成した。
「原材料がお米の、和の食材に合うビール」
「上品でフルーティーな香りの高さ」
「コロナ禍ならではの、お家時間の楽しみ方」
といったコンセプトや特徴が、多数の応援者を惹きつけたのだろう。
今までにも、米を原材料に使ったビールは存在した。
一方で、「炊飯米」が配合されたビールはなかったという。
加工技術がハードルとなったが、シンガポールに本社を置くフードテック企業
「CRUST JAPAN株式会社」の技術提協力を受けて商品化に成功。
飲むだけで社会貢献できる、本物のSDGsに取り組めるサスティナブルなビールの誕生に至った。
飲むだけでサスティナブル!3つのSDGsを達成
本アップサイクル事例では、SDGsが提唱する目標2、12、17と3つの持続可能な目標達成に寄与している。
- 2:飢饉をゼロに
- 12:つくる責任、つかう責任
- 17:パートナーシップで目標を達成しよう
本事例のように、日本人ならではの繊細な感覚や発想が息づくアイデアは
大きな可能性を秘めている。米を主食文化とするアジア諸国での応用や
フードロス解消の一手法として活躍が期待される。