SDGsのなかでも身近なプラスティックごみは臨界点にきている?
SDGsの「12.つくる責任、つかう責任」にあてはまる世界的なごみ問題。日本では2040年にはごみの埋め立て地がなくなる。と、環境省が平成28年のデータをもとに発表されており、もう猶予がありません。SDGsの2030年のゴールはあと10年。10年後に、あと10年で日本がごみで埋もれる危機になっていることにならないように、解決されるレベルになるまで、私たちは何をするべきでしょうか。
臨海点に達しているプラスチックごみ
2020年7月からレジ袋の有料化が決まり、現在、プラスチックごみが一番の焦点になっていると思います。焼却炉の数では日本が世界一多く、世界全体の7割を占めるほど。たくさん燃やしているのにもかかわらず、20年先には埋め立てるところがないのです。
大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済システムから脱却し、3R(発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)の循環型社会の形成を推進するために「環型社会形成推進基本法」(循環基本法)が2000年に制定され、対策は行われてきたと思います。
そして、「資源ごみ」としてペットボトルは分別して回収していますが、繊維にするリサイクルにはコストがかかるため23%程度しか再生資源になっていません。
70%以上を焼却して、熱エネルギーを再利用している「リサイクル」が行われています。それでも処理しきれず海外へプラスチックごみを輸出。しかし、中国をはじめとするアジア各国で輸入が禁止になり、プラスチックごみはいよいよ行き場がなくなっています。
レジ袋有料化だけでは追いついていない
レジ袋の有料化は大きな変化といえますが、現状では、3Rの推進よりもプラスチックごみの量が上回っている状態。日本のプラスチックごみの処理はまだまだ追いつかないだろうと思えます。ペットボトル、食料品容器、日用品のプラスチック製品などすぐにごみになるものが多すぎるのだと思います。
最近では、新コロナの影響でデリバリーやテイクアウトの容器のごみが家庭内で増えたことも取り上げられていました。
EUでは2019年に「プラスチック指令」が採択され、プラスチック製品の大幅削減のために、特定のプラスチック製品の販売禁止を2021年より行うとしています。またEUの研究助成プログラムでは、リサイクル可能なプラスチック素材の開発、再生プラスチックからの有害・汚染物質の除去に対する取り組みなどを優先的に支援し、新しいビジネスの創出にもつなげようとしています。
プラスチック製品をプラスチック自体を減らすか、プラスチックに代わる製品を作り出すか、コストがかからずリサイクルできる方法を発見するか。問題解決は急がれますが、大きな変化は新しいビジネスの可能性があるのではないでしょうか。