生理用品無料化が進む背景と先進5か国の取り組み
生理用品無料化が必要とされる背景
ご存じの通り、生理用品の購入は経済的な負担であり、コロナ禍で生理の貧困がさらに深刻化しました。
生理用品を購入できない貧困家庭や、基本的な生活ニーズを満たすために節約せざるを得ない女の子は、学校に通えず、教育を受ける機会を奪われています。
こうした生理の貧困を解消しようと、生理用ナプキンやタンポンの無料配布に踏み切る国が増えています。現時点で無償提供している主な世界の国々は以下の通りです。
生理用品無料化を進める世界の事例
スコットランド
スコットランドでは、2022年8月に「生理用品提供法(Period Products Act)」が正式に施行されました。世界で初めて、地方自治体や教育機関に対し、必要なすべての人へ生理用品を無料で提供することが法律で義務付けられています。
ニュージーランド
2021年2月から国内のすべての学校が 6 月に無料のタンポンとナプキンの提供をスタート。就学率を高め、貧困に正面から取り組む試みとしてジャシンダ・アーダーン首相が決定している。ワイカト地域の学校では、全国的な義務化の施行前に試験導入されている。
オーストラリア
学校がより包括的になり、生理に対する偏見を打破する狙いで、2018年より全ての公立学校でナプキン・タンポンの無料提供を発表。ビクトリア州は2020年より制度を導入。 ニューサウス ウェールズ州もそれに続き、2021年3月より学校での無料提供を開始している。
アメリカ
2016年にニューヨーク市は米国初となる、公立学校にタンポン・ナプキンを無償提供する法案を可決。図書館などの公共施設にも生理用品が無料で設置されている。
他の州は追随する形で2018年以降に無償化へ。2020年 1月にはバージニア州上院で満場一致で法案が可決。今まで生理用品は学校の看護師を通して入手していたが、より簡単に入手できるようになった。
フランス
2020年9月より高校でのオーガニック生理用品の無料配布をスタート。2021年2月より、エマニュエル マクロン大統領の指示を受けて、無料のタンポンとナプキン ディスペンサーを設置している。
このほか、韓国(ソウル市)、ケニア、ウガンダ、ザンビアなどでも、政府や民間組織が連携し、主に学齢期の支援を目的とした生理用品の無償提供が行われています。
もちろん、生理用品の無償化だけでは貧困をなくせません。教育、衛生的な水や下水設備の確保、ジェンダー教育と多角的な観点からの取り組みも必要です。
生理用品無料化における日本の現状
日本のジェンダーギャップ指数は148か国中118位(G7最下位)と、主要先進国の中で大きく遅れをとっています。生理に関する見えないハードルやタブー視を解消し、誰もが健やかに過ごせる社会へ向けた制度面・意識のアップデートが強く求められています。
こうした背景を受け、国内でも自治体や民間企業による具体的な支援の動きが急速に広がり始めています。
自治体による無償配布
日本でも内閣府の調査により、全国の7割を超える1,200以上の自治体で、防災備蓄品を活用した生理用品の無償配布や小中学校のトイレへの配置などの支援策が実施されています。(参考:内閣府男女共同参画局「生理の貧困」)
OiTrなど民間サービスの展開
さらに個室トイレ内に設置されたディスペンサーからアプリを使って無料で生理用品を受け取れる「OiTr(オイテル)」などの民間サービスも急成長しています。商業施設や公共施設、全国の大学・教育機関へ導入が広がっており、広告収益を活用した持続可能な仕組みとして定着しつつあります。
生理用品無料化に関するQ&A
Q1:生理用品を無料配布するための費用はどこから出ているのですか?
A:政府や自治体が実施する場合は、国の交付金(地方創生臨時交付金など)や行政の福祉・教育予算が充てられています。また、OiTr(オイテル)のような民間サービスでは、ディスペンサーの画面に表示される企業広告の掲載料金(広告収入)で生理用品の費用や運営費をまかなう仕組みが構築されています。
Q2:海外と比べて日本の生理用品無料化の取り組みにはどのような違いがありますか?
A:海外ではスコットランドのように全住民を対象に法律で無償提供を義務付ける国がある一方、日本では主に自治体ごとの福祉施策(防災備蓄品の活用など)や、学校・公共施設での個別対応が中心となっています。また、軽減税率の対象外(消費税10%)である点も日本の課題として議論されています。
Q3:個人や企業が生理用品無料化の取り組みを支援する方法はありますか?
A:個人としては、生理の貧困支援を行っているNPO法人(つくろい東京ファンドや支援団体等)への寄付や、不要な生理用品のフードバンク・支援団体への寄贈があります。企業の場合は、オフィスや店舗のトイレへ無償ディスペンサーを導入したり、CSR活動として支援事業へ協賛・広告出稿を行う方法があります。
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※参考記事
https://www.globalcitizen.org/en/content/free-period-products-countries-cities-worldwide/
2026年8月 加筆修正










