イギリス人のワークライフバランス その2
イギリスでは、家庭や家のことを優先しなくてはならない事情はほかにもあります。
イギリスでは、歴史のある家が人気で、古ければ古いほど価値があります。2020年の時点で、購入された住宅の8軒中7軒が中古というデータがあるようです。しかし、古い家はそのまま住み続けることはできません。修繕が必要です。
イギリスではDIY(Do It Yourself)や家の改善に時間を費やすことが一般的です。多くのイギリス人が自分の家や住居を個人的なプロジェクトとして見ており、自分で修理や改善を行うことを楽しんでいます。
DIYはイギリスのカルチャーや伝統に深く根付いています。多くのイギリス人が、自分の手で家を改善し、自分たちのスタイルやアイデアを反映させることに価値を置いています。
また、自宅を所有することは、多くの人にとって重要な目標です。そのため、自分の持ち物である家を維持し、より快適にするために努力する姿勢が見られます。
DIYに関する情報やアイデアは、テレビ番組やオンラインのリソースを通じて広く提供されています。フランスの古城を買ってDIYをするシリーズなどのようなテレビ番組はイギリス人に大変人気があります。これにより、初心者から上級者まで、さまざまなスキルレベルの人々がDIYに取り組むことができる環境が整っています。
専門業者を雇うよりもDIYで修理や改善を行うことで、コストを節約できる場合があります。これは多くの人々にとって魅力的な要因です。そしてイギリスの業者は、時間を守らなかったり、満足のいく仕事をしてくれなかったり、その割に費用も高額で、あまり信用できません。自分でスキルを身に付けるほうが確実なのです。
ただし、全ての人がDIYに時間を費やすわけではなく、スキルや興味によって異なります。また、家の増築など、DIYだけでは不可能で、専門家に依頼することが必要な大規模なプロジェクトも存在します。しかし、一般的にイギリスではDIYや家の改善に関心を持つ人が多く、自分の手で家を管理・改善することが一般的な生活スタイルの一部となっています。
私もイギリスに来てから、さまざまなDIYに挑戦しています。時間がかかり、なかなか面倒だと思ってしまうことも多いですが、バランスのとれたライフプランのためにも、必要なスキルです。少しずつ上達させていきたいと思っています。