SDGs投稿記事No. 1080

ウルトラファストファッションの誘惑に揺れるZ世代。環境影響を認識しつつも半数以上が続ける「ごめんね消費」をデカボLabが調査

この記事はPR TIMESのプレスリリースを引用しています。お問い合わせ・詳細は下記リンク先へ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000122970.html

生活者の声をもとに、脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す生活者共創型プラットフォームを展開する Earth hacks株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:関根澄人) は、LINEヤフー株式会社、株式会社seamint.と共同で設立した「デカボLab」において、Z世代のウルトラファストファッションおよびサステナブルファッションのサステナブルに関する意識調査を実施しました。

調査の結果、Z世代の約52.3%が「ごめんね消費(環境への悪影響を認識しながらも価格やデザインに惹かれて購入してしまう行動)」を経験していることが明らかになりました。また、24.8%が環境への配慮から、ウルトラファストファッションの購入を避ける選択を行っていることが浮き彫りになりました。本調査では、Z世代が抱える「ごめんね消費」の実態に焦点を当て、その背景にある心理や社会的要因を詳しく探りました。

調査結果まとめ

  • Z世代の4人に3人が手に取る“ウルトラファストファッション”

ウルトラファストファッションは、安価でデザインが豊富なため、若者に広く支持されています。しかし、大量生産や環境への悪影響、劣悪な労働環境が問題視されています。
また、約74%のZ世代が、ウルトラファストファッションの購入経験があります。

  • 環境に優しいサステナブルファッションは、Z世代も注目

Z世代の約3人に1人がサステナブルファッションを認知しています。
グローバルブランドの認知度は高い一方、中小ブランドの認知度はまだ低いのが現状です。

  • サステナブルファッションのイメージは「価格が高い」

Z世代はサステナブルファッションを「環境に優しい」と認識していますが、価格やデザインに対するハードルを感じています。
Z世代を集めて開催した座談会では「高価であり、オシャレさに欠ける」といったネガティブな意見も聞かれました。

  • Z世代起業家が挑戦するサステナブルファッション

サステナブルファッションに挑戦するZ世代起業家が増えています。北村さんは、「社会問題に触れるきっかけの場」を提供として、サステナブルファッションブランド「ecmile.」を立ち上げました。環境配慮を強調せず、日常に溶け込むデザインと手頃な価格を重視しています。

より詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
https://decarbolab.earth-hacks.jp/journal/decabo-lab-ultra-fast-fashion
https://decarbolab.earth-hacks.jp/journal/decabo-lab-sustainable-fashion

デカボLabとは?

サステナブルな未来を目指す上で、重要な世代であるZ世代がどのような考えや行動を取っているのか、そのインサイトは今後のビジネスや社会の発展において欠かせないものと「デカボLab」は考えています。

「デカボLab」は、このZ世代に関する深い理解をもとに、サステナブルな未来を共に創り上げるための研究と情報発信を行う研究機関です。Z世代の行動パターンやトレンドを分析し、それに基づくソリューションや情報を提供することで、社会全体の変革をサポートしていきます。


Z世代を代表する多様なリサーチャーと研究活動


株式会社Seamint. 代表取締役CEO、デカボLab所長
朝比奈ひかり

1998年生まれ。慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科所属。 高校1年生から「朝比奈ひかり」を活動名として、女子高生カメラマンや“10代マーケター“として活動。“等身大視点”をキーワードに若年層向けサービス支援を30社に展開。その後、大学3年生時の2019年に株式会社seamint.を起業。Z世代に特化した企画・マーケティングを展開し、現在6期目。夫婦別姓実現に向けた活動にも注力を行う。


株式会社Earth hacks プランナー 赤峰沙枝

高校時代からZ世代向けのイベントやプロモーション企画、SNS運用を行うフリーランスのZ世代マーケターとして活動。その後、新卒でZ世代マーケティング会社への入社を経てEarth hacksに参画。「今よりちょっといいかも、な脱炭素社会」を目指すために”生活者×脱炭素”という領域でのプランニングを行い、社会実装を目指しています。特に、次世代への継承を視野に、Z世代が主体となる企画のプランニングや情報発信に注力しています。


LINEヤフー株式会社 藤田航平
1995年、埼玉県生まれ。立教大学出身。大学時代にインドとフィリピンでソーシャルビジネスの立ち上げに注力。新卒で宿泊予約サービスを運営するベンチャー企業に入社し、事業開発を経験したのち、2022年より現職。主に社会領域における新規事業を担当し、企業・ユーザーと共にサステナブルな社会をつくっていく「LINEヤフーサステナブルプロジェクト」や、株式会社さとふるとの協業による「LINEでふるさと納税」、教育領域の事業開発を担当。


株式会社Gab 代表取締役 CEO 山内萌斗

2000年、静岡県浜松市生まれ。静岡大学情報学部行動情報学科2年次を休学し、株式会社Gabを創業。
「社会課題解決の敷居を極限まで下げる。」をミッションに掲げ、ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」やエシカルブランドに特化した商品販売・グロース支援プ ラットフォーム「エシカルな暮らし」等を展開。
また、丸井グループやセブン-イレブン・ジャパンなど大手企業との協業実績も多数。現在5期目。


Mpraeso合同会社 代表取締役 CEO 田口愛 

1998年、岡山県生まれ。国際基督教大学出身。19歳の時にガーナを訪れたのをきっかけに、チョコレートビジネスの道に。 
2020年、Mpraeso合同会社を設立。
2021年にはチョコレートのブランド「MAAHA CHOCOLATE」を立ち上げる。同年、ニューズウィーク日本版の「世界に貢献する日本人30人」に選ばれる。


アパレルブランドecmile. ディレクター 北村風優

在学中にファッション業界の社会課題に取り組む学生団体「MGCloset」で活動し、明治学院大学ボランティアチャレンジ大賞を受賞。アパレルブランドで販売員から副店長、本部EC運用担当を経て、2023年10月に自社ブランド「ecmile.」を立ち上げる。ファストファッション問題や大量廃棄問題をテーマにキャリアを築き、2022年にはエシカルファッションと地域創生を組み合わせた「PLA COLLECTION」ファッションショーを開催。同年、渋谷QWS Challengeに採択。

Z世代の74%が購入経験がある“ウルトラファストファッション”

Z世代は他の世代より環境意識が高いとされながらも、ウルトラファストファッションが人気です。ウルトラファストファッションとは、1着1,000円程度でオンライン購入できる安価なブランドで、「安くて可愛い」とZ世代から注目されています。しかし、有害化学物質の使用や過酷な労働環境、プラスチック素材の利用による環境への悪影響も懸念されています。

デカボLabが行った調査によると、Z世代のうち、74%がウルトラファストファッションの購入経験があることが分かりました。さらに、そのうち15.4%は月に1回以上購入しているという結果が出ています。


環境に悪いと知りながらつい購入してしまう「ごめんね消費」

Z世代のウルトラファストファッション購入に関する調査では、約77%が「環境への悪影響が購入に影響する」と答えました。座談会では「環境に悪いとわかっていても、安くてデザインが良いため『ごめんね』と思いながら購入する」という声も見受けられ、52.3%が実際に「ごめんね消費」をしていることが判明。一方で、環境への配慮から購入を避ける人は24.8%にとどまっています。


ウルトラファストファッションは「価格が安い」「デザインが豊富」という特徴があり、毎日多くの新アイテムが発売されることがZ世代の消費を後押ししています。調査では、Z世代の多くが「安くて気軽に購入でき、失敗しても良い」と感じる一方で、「環境に配慮していない」といったネガティブな印象を持つ人も目立ちました。


ウルトラファストファッションは、ハロウィンやお揃いコーデなど特定の場面で急遽必要になることが多く、安価でデザインが豊富なため便利です。座談会では「失敗しても安心」との声があり、安価なアイテムは気軽に購入できる魅力が挙げられました。一方、「デザインが模倣品が多い」との懸念もありました

購入しない選択をしている25%のZ世代の共通点

Z世代の52.3%が「ごめんね消費」を行う一方で、24.8%は実際に購入しない選択をしていることがわかりました。座談会の意見では、実際に行動を移せる人々の共通点として「知人や友人からウルトラファストファッションが環境に悪いことを知ると、購入を躊躇する」という声も挙がりました。

 


Z世代が注目、環境に優しいサステナブルファッション

環境問題への関心が高まる中、ファッション業界でもサステナブルファッションを展開するブランドが増えています。サステナブルファッションは、製造から廃棄まで環境負荷を抑え、社会的公正を追求するものです。調査では、Z世代の約3人に1人がサステナブルファッションを知っており、その半数以上が実際に購入経験があると答えました。


Z世代は、グローバルな大手ブランドのサステナブルな取り組みについての認知度が高い一方で、新興ブランドや中小ブランドのサステナブルファッションはまだ一部の層に限られています。これらのブランドは環境配慮や持続可能な素材の使用を強調していますが、認知度向上にはさらなる普及が必要です。

サステナブルファッションのイメージは「価格が高い」

Z世代に「サステナブルファッションにどんなイメージを持っていますか」と質問したところ、「環境に優しい」「背景や環境への配慮に共感できる」といったポジティブな意見が寄せられました。一方で、「価格が高い」「意識の高い人が着るもの」「デザインがオシャレではない」といったネガティブな意見も見受けられました。


また、Z世代を対象に行った座談会では、次のようなイメージが挙げられました。

  • サステナブルなアウトドアブランドの服を着ている人は、本当に自然を大事にしている人が多いイメージがある。

  • 以前はサステナブルブランドにはシンプルなデザインが多いという印象だったが、最近ではさまざまなデザインのブランドも増えてきた。

  • ヒラヒラした可愛いデザインの服を買いたいが、サステナブルブランドにはシンプルなデザインの服しかない印象がある。

  • シンプルな服であれば、他の大手ブランドの方が十分だと感じる。

  • デザインがオシャレでないため、価格に見合う価値を感じられない。

このように、Z世代はサステナブルファッションが環境に良いと理解している一方で、コストパフォーマンスやデザインの面で手を出しにくいと感じていることがわかります。

一方で、座談会に参加したZ世代からは、「ごめんね消費の存在は理解できるが、自分はサステナブルファッションが必ずしも高額で手の届かないものだとは思わない。工夫次第で状況は変えられるのではないか」という意見も出ました。このように、意識せずとも自然にサステナブルファッションを生活に取り入れているZ世代もいます。

サステナブルファッションのプロデュースに挑戦しているZ世代起業家

環境に配慮したサステナブルファッションに興味はあっても、Z世代にとっては価格やデザインの好みといった理由から、なかなか手を出しにくいのが現状です。

そんな中、サステナブルファッションに挑戦しているZ世代の起業家がいます。サステナブルファッションブランドを立ち上げた北村さんは、「社会問題に触れるきっかけの場を作りたい」という思いで事業をスタートさせました。


アパレルブランドecmile. ディレクター 北村風優

北村さんが立ち上げたサステナブルファッションブランド「ecmile.」は、環境負荷を抑えながらもフェミニンで個性的なデザインを提供するブランドです。手頃な価格で高いデザイン性を実現し、消費者が社会問題を知りながらファッションを楽しむきっかけを提供することを目指しています。

ファッション業界で働く中で、ファストファッションの環境や労働への悪影響を目の当たりにしたことから、「Z世代が共感できる新しい選択肢」を提供したいという思いでブランドを設立しました。サステナブルファッションは「高価」「特別な人のため」というイメージがありますが、「ecmile.」では環境配慮を前面に押し出さず、デザインや価格にこだわり、消費者が自然にサステナブルな選択をできるように工夫しています。

また、実際に購入者からはデザイン性や環境配慮について高評価を受けており、タグには土に植えると花が咲く紙を使用するなど、環境への配慮を楽しく体験できる工夫も施しています。

ecmile.のコンセプトは“大人甘”ですが、それに加えて「お洋服を買うことで少しでも社会を良くできたら」というエシカルな考えを大切にしています。環境問題や労働条件など、ファッション業界が抱える課題を少しでも解決するために、誰も傷つけない、正しい過程で作られたオリジナルの洋服を展開しています。

ecmile.は、サステナブルな選択が特別なものではなく、自然に楽しめるものとして浸透していく世界を目指してブランドを展開しています。

Z世代とサステナブルな未来をつなぐ「デカボLab」

 


デカボLabは、Z世代の生活者に焦点を当て、彼らのサステナブルな取り組みや行動、トレンドに関する深いインサイトを提供する情報発信のプラットフォームです。

私たちは、Z世代が持続可能な未来に向けて、実際にアクションを起こすためのきっかけを提供し、彼らが楽しく取り組めるような内容を発信していきます。

Z世代の行動変容を促したい企業の皆様へ

Z世代の行動変容を促したい企業の皆様にも、デカボLabが提供する情報やネットワークを活用いただけます。Z世代と共に、サステナブルな未来を築くための新しい可能性を探りましょう。興味をお持ちの企業様は、ぜひご連絡ください。
https://contact.earth-hacks.jp/

<調査概要>
調査主体  :デカボLab(Earth hacks株式会社、LINEヤフー株式会社、株式会社seamint.が共同で設立した研究機関)
調査方法  :LINEリサーチ プラットフォーム利用による調査
調査対象者 :東京大阪在住の18〜27歳
有効回答数 :300名
調査期間  :2024年7月12日〜7月16日
その他、座談会を開催し、Z世代3名から意見を収集
※Z世代とは=1996年〜2012年生まれの世代
なお、今回の調査では1996年生まれから2006年生まれのZ世代を対象として実施しました。

※本調査リリースは、Z世代の環境意識を批判するものではなく、Z世代を対象に行った意識調査の結果を踏まえながら、現代のファッションが抱える環境問題について一緒に考えるきっかけを提供することを目的としています。

<共創型プラットフォーム「Earth hacks」について> 
「Earth hacks」は、Z世代をはじめとする脱炭素に関心がある方や、まだよく知らないという方にも脱炭素に向けた活動を身近に感じてもらえるよう、自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとに、脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す共創型のプラットフォームです。CO2e*を従来の製品と比較し、削減率(%)を表示するというユニークなアプローチ「デカボスコア」を企業や団体に提供しています。「Earth hacks」サイト内ではデカボスコアと共に環境価値の高い商品を紹介するなど、企業主体ではなく、Z世代をはじめとした生活者が楽しみながら脱炭素に貢献できる仕組みを提供しています。また、実際のビジネス課題を通じて社会課題の解決を考え、企業と学生が共創するビジネスコンテストプログラム「デカボチャレンジ」も実施し、企業とZ世代の脱炭素社会に資するビジネス共創を促進する取り組みも行っています。他にも、行政・地方自治体に向けたソリューションとして「Earth hacks for Local」の提供を開始しています。 

*1 CO2e とは、CO2 相当量に換算した値のこと 

□ウェブサイト:https://co.earth-hacks.jp/ 
□Instagramアカウント:https://www.instagram.com/earthhacks 

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編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。

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