「生理の公平」に向けて
みなさんは「生理の貧困」という言葉を聞いたことがありますか?
「生理の貧困」というのは、生理(月経)のある人たちに欠かすことのできない生理用品に経済的な理由でアクセスすることができなかったり、 周囲の人の理解を得られず、手にすることに困窮している見えづらいハードルがあることを意味します。
各国が取り組む、生理用品の無料提供
この「生理の貧困」の解決に向け、世界各国が政府や民間組織を中心に、公共施設や学校、薬局などで生理用品を無料提供しています。
筆者の住むフランスを例に挙げると、2021年からは国内全土の大学や寮などのトイレや保健施設にBIOのタンポンや生理用ナプキンなどを無償提供する機械を設置しています。
そしてボルヌ首相は今年3月に、2024年より25歳以下の女性を対象に生理用品を無償化することを発表しました。
対象となるものは、環境を考慮した繰り返し使用できるタンポン、月経用ショーツ、月経カップなど再利用可能なものに限っています。
薬局での購入時に「保険適用」とみなされ、後に支払い分は全額返金となる仕組みです。
また多くの国はスコットランドを例として施策を広げています。
これらの背景として、スコットランド政府が生理用品のサポートの先駆けであり、2022年8月からは、すべての女性に生理用品が無料で提供されるようになったことが挙げられます。
日本では、各都道府県の自治体が生理用品の無料提供を行なっているが、まだまだ周知されていないという現状もあります。
みなさんが住む町の自治体では取り組みはされているのか、ぜひホームページで確認してみてください。
また、生理用ナプキンの無料提供サービスの一つであるOiTr(オイテル)は、現在設置導入数として施設数:179ヶ所、台数:2,500台と全国で広がっています。
参考:Spot|OiTr(オイテル)
いまだに話題にしにくい側面がある「生理」の問題。
生理による体調不良時に取得できる「生理休暇」においても、厚生労働省が実施した2020年度の調査、2023年度のJob総研による調査でも、請求した人はわずか1割という結果に。
ジェンダー平等の実現のためにも、女性のカラダのこと、それらの問題について理解し合い、議論を活発化させる必要があります。
そうすれば「生理の問題」について知る人が少しでも増え、性別関係なく人々が安心して暮らせる社会になるでしょう。