和食は世界一サステイナブル?人と地球を健康にする日本食について
2013年12月に和食は「ユネスコ無形文化遺産」に登録され、その自然を尊重する食文化が世界から注目されるようになりました。
ユネスコ無形文化遺産の目的は、形のない文化を守り、継承していくこと。
食の欧米化が進み薄れてきてしまっている和食文化ですが、今一度和食の魅力を確認し、守り受け継いでいきたいですね。
和食はどこがサステイナブル?
■和食はプラントベースフード
プラントベースとは、植物由来の食品を積極的に取り入れる食の考え方です。
ヴィーガンは動物性食品を「一切口にしない」という特徴がありますが、プラントベースを取り入れた食生活は完全に動物性食品を避けるわけではなく、必要に応じて乳製品や卵も取り入れるため、緩やかな菜食主義といった特徴があります。
プラントベースの食事が広がることにより、
・畜産業による環境負荷を減らすことができる
・食肉の供給不足による「タンパク質危機」を避けることができる
というサステイナブルなメリットがあります。
そして、江戸時代まで肉食をタブーとしていた歴史をもつ日本の昔ながらの食生活は、もともと「プラントベースに近い食事内容」と言われています。
肉は少なく、米・大豆・野菜・海藻・魚を中心とした伝統的な日本の食生活。
私たち日本人が、この和食を意識して取り入れることで、自然とサステイナブルな食事につながっていきます。
■地産地消・旬を大切にすることで環境負荷を減らす
日本には各地に郷土料理というものがあるように、その地域で採れる食材を大切にする文化があります。
また、四季がある日本では季節ごとに旬の食材が変わるため、料理で移りゆく季節を楽しむのも和食の特徴です。
このように地産地消や旬の食材を大切にすることは、輸送にかかる燃料やCO2排出量を減らし、季節を無視したハウス栽培に比べ生産に必要なエネルギーが少なくて済むので、環境負荷を減らすことができます。しかも旬で新鮮な食材は栄養価も高く、身体にもとてもいいですね。
■発酵食・保存食でフードロス削減
和食では、味噌・醤油・漬物・納豆などの発酵食品や、魚や野菜、海藻などを乾燥させた保存食品(鰹節・昆布・煮干し・干ししいたけ・切干大根・高野豆腐・海苔・わかめ など)がよく取り入れられます。
旬の食材を発酵食品や保存食品にすることで、腐りにくくなり無駄なく食べることができるため、フードロス削減につながります。
また、食品を発酵させたり乾燥させたりすることで栄養価やうまみが増す効果があり、私たちの健康にもいい影響があるでしょう。
■一汁三菜でしっかり栄養素を補給
和食の基本は「一汁三菜」です。一汁三菜を正しく取り入れれば、1食で五大栄養素を補う献立を立てることができ、和食は環境だけでなく、健康にもよいサステイナブルな食事といえますね。
今からできる和の食習慣
■米食を心がける
■肉より魚を選ぶ
■旬の食材を食べる
■道の駅や直売所を利用し、地元の食材を買う
■発酵食品や乾物・豆製品や海藻を積極的に取り入れる
■毎日味噌汁を飲む
海外からの輸入が増え、食の欧米化が進み、自然の生態系に逆らった現代の日本の食生活は、生活習慣病の増加にも大きく関わっています。また、危機的状況にある環境問題、食料廃棄問題の対策として、今一度和食に注目し、食習慣を見直していきたいと思います。先人の和食の知恵で、健康な地球と身体を手に入れましょう。