地下街を持続可能に
現在新潟市中央区の古町エリアで駅に隣接しない地下街「西堀ローサ」の運営会社が来年の10月に解散し、現在のテナントは退店を余儀なくされている。百貨店の撤退が相次ぎ、330mもの地下に人が戻らなかった。
新潟市は政令指定都市であるが、中心部である古町エリアは人がまばらで、郊外のショッピングセンターに押されている。しかしこの古町エリアは古くからの花街があり、徳川時代までさかのぼって約千人ほど芸妓さんもいたが、現在では十数人であるが残っており、昔開港5港のうちの一つで北前船が往来していた。京都や金沢の花街は茶屋街だが、古町花街は歴史的景観が残る料亭中心の花街として全国随一といえる。また昔は堀があって街中を船が入っていけるようになっていたが、車の普及により埋め立てられた。「堀と柳の町」だったこともあり、堀を再生しようと活動するNPOも現在活動している。
地方中核都市ではあるが、経済が人口減少するとともに財政的にも小さくなっている。地元企業でも体力がなく、手を付けられない状況である。地域の活性化は行政のスキルでは限界のところがある。運営会社の社長は地下空間に魅力を感じるディベロッパーがいれば再生の可能性はあると言っている。
今こそ財政的にも体力を持っているディベロッパーの上場企業が入ってくれるとありがたいと活動している。
古町エリアはメガバンク、証券会社、大企業の新潟支店、ホテル、学校と商店街がそろっており、環境は良い。交通も新潟駅からのバスを切れ目なく走らせている。
地域経済で域内消費は住人の所得が影響してくる。しかし観光の側面を入れれば域外の消費が入ってきて地域経済は活性化される。京都といった文化都市のような魅力が新潟市にはある。300年続く白根大凧合戦。祭りで体力がいるが、そこに魅力を感じて仕事を抜けてでも関わる人がいる。にいがた総おどりという20年前に始まったよさこい祭り。チームが全国各地から集まり、オールジャンルの踊りを披露する。新潟ならではの300年前の絵巻物から再興した踊りを取り入れてもいる。
新潟県人はアピール下手で今まで全国的に注目されてこなかったが、今新潟の文化が熱い。有形文化財や無形文化財も揃っている。文化経済の側面でコンテンツはあるので、そこに経営の力と資本を入れれば地域の活性化に結びつくと考える。ディベロッパーが入ることにより、周辺地域の商店街にも影響を波及させるような力が必要である。