動物福祉・愛護について理解しよう
ヴィーガンの普及、海外諸国での動物の店頭販売禁止、日本の航空会社におけるペット客室持ち込み論争など、これからも動物と生きていくことについて、より一層理解が求められるようになっています。
みなさんは「動物福祉」「動物愛護」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
日本人にとって、動物愛護はなじみのある言葉かもしれませんが、近年では動物福祉の考えが世界中で広まり求められています。
動物福祉
動物福祉とは、「すべての動物がよりよく生きる、幸福な状態」を指しています。人間とペットなどの人間主体での「大切にしている、かわいがっている」という考えはまずやめ、動物主体での考え方です。
アニマル・ベース・メジャーという考え方があり、「動物たちにとって必要な環境や対応はこう」などと決めつけずに、動物それぞれの状態を見て正しく評価するべき、という考え方です。
また、動物福祉の具体例として分かりやすいのが、家畜や動物園・水族館の飼育。
家畜や展示動物として利用することがまず論点になりますが、そのような状況でも「動物たちがどれだけ快適にストレスなく幸せに過ごせるか、よい生涯にできるか」を一番に考えることが動物福祉です。
昨今では、動物福祉の観点で「動物にとって残酷である」と考えられ、調教を含めたショーを廃止する動きも出てきています。
動物愛護
動物愛護とは言葉のとおり、「動物をかわいがり大切にしよう」という、人間主体の動物に対して持つ感情や考えのことです。
たとえば動物を飼っている人が、健康のために食料を与えたり、環境を整えたり、しつけをすることなどが動物愛護にあたります。
そのほか、自身で動物を飼育せずとも動物が好きで大切に思っている人も多くいて、動物愛護団体に寄付をしたり、物資を支援することも動物愛護の一つです。
しかし一方で、動物が虐待や殺傷されるという悲しいニュースを耳にすることも多いです。このような状況から動物を守るために、日本では「動物愛護管理法」が存在します。
「すべての動物は命あるもの。であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物がともに生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱う」。
この動物愛護法をあらゆる形で違反した場合、相手が人間と同じように、懲役または罰金が科せられます。動物を愛護することだけでなく、人と動物がともに生きる社会の実現も目的としています。
動物福祉や動物愛護を意識した行動を
似ているようで考える主体が異なる、動物愛護と動物福祉。
意識するべきことは「人間主体」にならないことで、意識することで動物にとって辛い環境を変えることができるかもしれません。
また、命を大切にする輪ももっと広がっていくでしょう。