生物多様性バランスが崩れるとどうなる?
地球上には、人間だけでなく様々な生き物が存在しています。
しかし、今このバランスが大きく崩れています。どのようにバランスが崩れているのか、ぜひ知ってみましょう!
野生動物が4%、家畜が60%!?
みなさんは、サバンナは広大で、野生の動物がたくさんいるというイメージをもたれていませんか?
私も、たくさんいると思っていました。しかし、実際には地球の陸上哺乳類のうち、野生動物はわずか4%しか残っていません。その代わりに、家畜動物が60%を占めています。しかも家畜動物がサバンナにたくさんいます。
「????」
不思議ですよね。これは、私たちの「食」が大きく関係しています。
「食」を確保するために森林伐採
みなさんは、食事で何が一番好きですか?
たくさんの飲食店にこだわりの専門店もあり、食べ物が選び放題の現在ですが、その食材に使われている「物」に注目してみましょう。
例えば、ハンバーグ。ひき肉・玉ねぎなどが使われますね。
では、唐揚げ。シンプルに鶏肉に調味料ですかね。
このように、食材に「家畜動物」が上がることが多くないですか?ステーキ・焼肉なども、牛・豚・鶏などの家畜動物です。
では、次に家畜動物はどこからきてるかに視点を向けてみましょう。
焼肉食べ放題のお店に置かれているお肉。大量にお肉が必要なので、たくさん確保しなければなりませんね。とはいえ、家畜も生き物なので人間同様食事を取ります。工場畜産では、牧草やワラ・とうもろこしや大豆、麦などを加えた配合飼料を与えています。そして飼料を作るために、広い土地が必要です。
、、、、はい。
「サバンナ、広いな、大きいな〜」
自然豊かな森林を伐採し、先住民も追い出して作られたのが、家畜のための穀物畑!!!!
「ついでに、この広い土地で家畜も育ててしまおう!」
こうして、住処を追われて野生動物の数が減って、代わりに家畜動物が増えたということですね。
生物多様性が崩れるとどうなる?
「食」が安心して作られるなら問題はないのか?残念ながら、そうはいきません。
生物多様性が崩れると、私たちの身近な生活だけでなく、地球規模で大きな影響が起こるのです!!国連環境計画(UNEP)では「生態系サービス」と称して、下記の4つに整理しています。
- 供給サービス
- 調整サービス
- 文化的サービス
- 基盤サービス
1.供給サービス
生きるために必要な資源を与えてくれるのが供給サービスです。
例えば:食料や水(淡水)、衣類や住居、燃料や肥料などの原材料など |
2.調整サービス
人が生きやすい環境に、調整している機能が調整サービスです。
例えば:大気や気候の調整、洪水の制御や災害の緩和、水の浄化など |
3.文化的サービス
自然の中で学んだり、癒されたり、楽しんだりするのを文化的サービスといいます。
例えば:精神的な恩恵や教育的、レクリエーション的など |
4.基盤サービス
1・2・3を支えているのが基盤サービスで、生命の存続維持の基盤になるものです。
例えば:豊かな土壌が形成や光合成、酸素の供給など |
生態系が一つでも崩れると弊害が起こる
私たちは、自然の恩恵を受けて生存することができます。
しかし、生態系が一つでもバランスを崩すと、生態系サービスはうまく循環しなくなります。現在、家畜が60%を占めているというということで、すでにバランスが崩れているといって過言ではないでしょう!!
日本でも、すでに生物多様性の問題があった!
実は日本でも、生物多様性が崩れて起きた問題があります。
昔、日本にもいたオオカミが生態系のトップに立っていました。しかし、オオカミが絶滅したことにより、シカが大量に増えてしまいます。その結果、農作物に被害がでたり、森林の草木を食べて土砂が流失したりと、生態系サービスが崩れてしまいました。
まさに、この問題が地球全体で起ころうとしていると考えると、とても恐ろしいですよね。
生物多様性は人間も繋がっている
人間は一人では生きていけません。しかし「人間だけ」でも生きていけません。さまざまな生物が生息し、それらが互いに繋がって、私たちにたくさんの恩恵をもたらしてくれます。
異常気象や気候変動といった問題は「天災」ではなく、人間の欲に捉われた生態バランスの変化により起きている「人災」になっています。これ以上自然や生物を奪う事なく、水や土を汚す事なく、一人ひとりの日々の取り組みを見直してみましょう!