マイピックアップNo. 44

飢餓と日本の食糧課題を知ろう

皆さんは「飢餓」というキーワードを聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?大半の方はどこか遠くの問題であるという意識があるかと思います。しかし日本でも飢餓は私たちの生活の中で身近にある問題なんです。

 

飢餓をゼロに

飢餓とは慢性的な栄養不足になることであり、主に災害・紛争・貧困などが要因になり引き起こされます。国連児童基金(ユニセフ)の2019年調査では7億人近くの人が飢えに苦しんでおり、新型コロナ ウイルス感染症のパンデミックによってさらに1億3000万人以上に人々が慢性的な飢餓に陥る可能性があるということを報告しております。(2020 The State of Food Security and Nutrition in the World)また、日本での相対的貧困層(地域社会の大多数よりも貧しい状態を示し、世帯所得が全世帯の中央値の半分未満である人の比率)は2019年の調査では15%に達し7世帯に1世帯の家庭が苦しんでいる現状があります。十分な金銭的余裕がないと、食事が満足に取れず栄養失調担ったり病気にかかりやすくなるなど様々な負の連鎖が生じます。(2019年厚生労働省調査

 

つくる責任つかう責任

また、十分な食事が取れないという問題と相反するものにフードロス(食品ロス)という社会課題があります。フードロスとはまだ食べられる状態の食品であるにもかわらず廃棄されてしまう食品のことを指します。日本の食品廃棄物量は年間2,531万トンあり、その中で本来食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間600万tにのぼると言われています。(農林水産省HP参考)日本人の1人当たりの食品ロス量は1年で約47kgあり、これは日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量になります。また、この数字は世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2019年で年間約420万トン)の1.4倍に相当します。また、食料廃棄を行う際にも化石燃料を使用したゴミ処理所の稼働により環境破壊の要因ともなっています。

食品ロスを解消するために様々なアプローチがありますが、今回はフードバンク について紹介します。フードバンク とはその言葉の通り「食糧銀行」を意味する社会福祉活動です。まだ食べられるのに様々な理由で処分されてしまう食品を食べ物に困っている施設や人に届ける活動のことを指します。多くのフードバンク では賞味期限が1ヶ月以上の加工食品を食品製造業者・企業・輸入業者・個人から寄付をつのり、食べ物を必要にしている人に必要な数だけお渡ししています。日本のフードバンク の中でも大手であるセカンドハーベスト・ジャパンでの配達先は主に、児童養護施設・女性のDVシェルター・炊き出しの現場へ届けられます。

フードバンク への食糧支援は個人でも出来るアクションなので、ぜひ関心がある方はトライしてみてください。セカンド・ハーベストジャパンのホームページに詳細が書かれています。(https://www.2hj.org/recipient/individualuse.html

    すぎまり

    はじめまして!すぎまりです! SDGs文脈での自己紹介をすると、大学では国際NGOで貧困地域住居建築活動・国内災害支援・福祉活動などしてました。 その後NPO法人で一年半インターン、現在はSDGsコンサル事業を展開する会社で働いてます。 また、現在シェアハウスで約2年間住んでおり、いつかコミュニティハウスを作りたいと思ってます!

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