ナイキが取り組む「MOVE TO ZERO」とは?世界的スポーツメーカーが実践するSDGsについて解説
世界的なスポーツブランドのナイキですが、ナイキは今、スポーツの未来を守るためにSDGsに本気で取り組んでいます。今回は、ナイキが取り組んでいるSDGsの取り組み「MOVE TO ZERO」についての解説です。
「MOVE TO ZERO」とは?
ナイキが取り組むSDGsは「MOVE TO ZERO」です。「MOVE TO ZERO」では、二酸化炭素排出ゼロ、廃棄物ゼロを目指します。ナイキは地球全体がスポーツプレイグラウンドであると定義し、炭素、廃棄物、水、化学に焦点を定め、SDGsに取り組んでいます。
ナイキの取り組む「MOVE TO ZERO」で、2050年までに達成すべきとされている目標は以下です。
1・ナイキは2050年までに、ナイキ所有及び運営する施設の100%再生エネルギーでの稼働を目指します。
2・ナイキは2015年パリ協定に即し、2030年までに世界のサプライチェーン全体からの炭素排出量を30%削減します。
3・ナイキは全てのフットウェア生産過程から生まれた廃棄物の99%を、廃棄せず再活用します。
4・ナイキは1年に10億本以上のプラスティックボトルを廃棄する代わりに再利用し、新しいジャージやフライニットシューズのアッパーのための糸を作ります。
5・Reuse-A-Shoeとナイキグラインドの各プログラムは、廃棄物を新しいプロダクト、遊び場の路面や陸上のトラックやコートに変えています。
また、「MOVE TO ZERO」にて2025年に達成すべき目標も定められています。
・ポリエステルやコットン、皮革、ラバーなどの主要素材に環境配慮の素材を50%に増やし、温室効果ガスの排出量を0.5Mトン削減する。
・拡張サプライチェーンにおいて、埋め立てから出た廃棄物を100%転用。少なくても80%の廃棄物がナイキ製品などに再利用される。
・テキスタイルの染色や仕上げにおいて、使用する真水の量を25%削減する。
ナイキが「MOVE TO ZERO」に取り組む理由
ナイキが「MOVE TO ZERO」をはじめとしたSDGsの取り組みを強化する理由は「スポーツの未来を守るため」と公表されています。気候変動が進むことで、アスリートへの影響は避けられず、今後、世界的な環境変化に取り組まなかった場合、屋外で安全にスポーツをすることが難しくなっていくと考えられています。
このままの状況が続いた場合、アメリカの州ではルイジアナ、テキサス、ミシシッピの各州の一部で、外で活動できる日が最大2ヶ月減ってしまう可能性が示唆されています。
また、ウィンタースポーツでも、質の高い環境でスノーボードができる日がこの30年間で平均7%も減っていると言われており、こちらも何も対策をしなかった場合、2050年には11%から22%まで減る可能性が指摘されています。
ナイキの取り組む「MOVE TO ZERO」は、廃棄物を減らし、再生可能なものは再生することで、環境に与える影響を最大限抑えようとする取り組みです。
また、製造メーカーであれば本来なら消費者に対し、できるだけ商品の回転を促し、売上、利益に繋げたいところですが、ナイキでは消費者に対し、製品を自分でメンテナンス・手入れすることで、できるだけ製品を長持ちさせ、長く使ってもらうためのアドバイスも公式ホームページで提供しています。
ナイキが取り組む「MOVE TO ZERO」は「Bloom Over Doom」(破滅ではなく繁栄を)との考え方で取り組まれています。消費者であり、地球に住む私たち一人一人も、地球というスポーツプレイグラウンドを守る意識を持ち、少しでも行動していかなければならない時がきています。
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