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在来種を守ろう!沖縄・やんばるの自然を残す

年中緑のある、沖縄。熱帯系の植物も多く、国立公園の方はまさにジャングルのような木々が立ち並んでいます。

やんばるの森は、2021年7月ユネスコ世界自然遺産に登録された、多種多様な生態系を育んでいる古い森です。ですが、植物の生態系を脅かす外来生物がいます。

特定外来生物、ツルヒヨドリはどんな植物?

それは、つる性植物で特定外来生物のツルヒヨドリ(キク科)です。ツルヒヨドリは、もともとアメリカ大陸原産のキク科の植物で、世界ワースト外来種の一つに指定されています!ハート型の葉っぱが特徴のかわいい形ですが、1日で10cmも成長する驚異的な繁殖能力を持っており、放っておくと、いつの間にか他の植物に絡んでおおいかぶさってしまいます。

おおいかぶさることで他の植物を枯らしてしまったり、農業被害も報告されています。

また、生命力もすごいのがさらに曲者です。根っこから取り除いたとしても、少しでも根や茎が土中に落ちれ入れば、そこからまた成長していくのです。つまり、抜いたら取りこぼしなく、すぐに二重にしたビニール袋に詰めてしまわないと完全に除去することは難しいので、除去作業も慎重に行わなければなりません。私も一度だけ除去作業に参加しましたが、ほんの少しツルが切れて落ちただけで「それも拾わないとまた繰り返してしまうよ」と教わり、ツルヒヨドリの再生能力に驚いたほどです。

11月になると花をつけます。綿毛のついた種を、風によって運ばれて範囲を広げるのです。よって、この花が咲く前に除去をしないと、広範囲に散らばってしまうので早い段階での作業が求められます。

沖縄各市町村でも注意喚起

このように、ツルヒヨドリは繁殖力が非常に旺盛で、他の植物が生育 できないほど繁茂するため、生態系への影響が懸念されています。在来植物への被圧等の影響が大きく、沖縄県内の各市町村で注意喚起をしたり、禁止行為をしたら罰金や懲役を課せられるほど!!

沖縄には希少な生物もたくさん生息しています。自然形態が変われば、生き物たちの住処も減り絶滅の危機性もありますね。

環境省那覇自然環境事務所>>https://www.vill.kitanakagusuku.lg.jp/material/files/group/24/turuhiyo.pdf

自然は万人の宝

沖縄だけでなく、外来種により環境が変わってしまった例をたくさん聞きます。その地の在来種を守り、自然を残すことは、私たちの住処を守ることでもあります。沖縄のやんばるの自然は、未来の世代に引き継いでいくべき貴重な資源であり宝物です!特定外来生物であるツルヒヨドリの影響を最小限に抑え、在来種の保護と自然の豊かさを守るために、私たちの力を結集しましょう。

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