ヤンバルクイナや沖縄の固有種を守る
沖縄県北部のやんばる地域にのみで生息する飛べない鳥、ヤンバルクイナ。
この鳥、絶滅危惧IA類に指定にされているほど、貴重な鳥なんです。
実際に、沖縄県名護市に住んで5年ほどの私も、野生のヤンバルクイナを見たのは1回だけ。それも、国頭村の山の道を偶然、車で通った時のみです。
ヤンバルクイナってどんな鳥?
ヤンバルクイナは、1981年に新種として発見された日本の固有種で、赤いくちばしと足、白と黒の縞模様の腹部が特徴です。
全長は約30~35cm、体重は約350~420gで、飛ぶことはできませんが、地上をすばしっこく走り、寝る時は木の上で休みます。
かつては1800羽ほどいたヤンバルクイナですが、外来種(マングースやノネコ)による捕食、交通事故、生息地の破壊などにより、2006年には700羽まで減少し、絶滅危惧IA類に指定され、危機的な状況に陥りました。
近年は保護活動の成果もあり、個体数は回復傾向にありますが、依然として予断を許さない状況です。
ヤンバルクイナを知るためのシンポジウムに参加
そんな中、2023年に名護市源河の山中でヤンバルクイナが観測カメラに映り大きな話題となりました。
その流れで、関係者を集めた「公開シンポジウム ヤンバルクイナおかえり名護へ!-世界自然遺産をミライへつなぐ-」が、地元の名護市で開催されたので聞きに行ってきました。
ヤンバルクイナが世間に発表されたのは1981年でしたが、それより5年も前にヤンバルクイナの存在は確認されていたり、もともとは名護市や本部半島にも生息している可能性もあると調査で分かったそうです。
「もしかしたら、名護市でもヤンバルクイナが生存できるようになるかも!」と期待をしたのですが、かなり難しい状況らしいです。
というのも、沖縄全土でのマングース根絶をしたり、沖縄の闇であるノネコ問題も大きな課題として残っています。
そもそものヤンバルクイナ生息個体数が圧倒的に少ないので、将来的に生息地を広げていかないと絶滅の危機はいずれ訪れるとの説明もありました。
貴重な固有種も守るために
ヤンバルクイナは、沖縄の自然環境保護の象徴とも言える存在。
世界には飛べない鳥が33種いたそうですが、そのうち13種が絶滅、残りの20種中18種は絶滅の危機にあり、ヤンバルクイナも含まれています。
またヤンバルクイナの他にも、沖縄にはノグチゲラ(沖縄県の鳥)、オキナワトゲネズミ、リュウキュウハグロトンボ、リュウキュウヤマガメなど貴重な固有種がいます。
外来種のマングースやノネコ対策や生息地の保全など、保護活動に取り組むことで、これらの貴重な固有種も守ることに繋がります!
地域の人が一丸となる
今回の公開シンポジウムを聞いて、一番強く印象に残ったのは「保護活動している人」や「行政機関」だけに任せるのではなく、その地に住んでいる地域の人たち一人ひとりの協力や理解が必要なのだということです。
環境問題についても、プラスチック問題やエネルギー問題、水問題は、私たち一人ひとりが関わっている以上、無関係ではありません。
もっと、自分事としてアクションをしないといけません。
私もこの話をいろんな方に伝えて、ヤンバルクイナを絶滅の危機から救い、沖縄の素晴らしい景観や生き物・自然を後世に残せるように取り組んでいきます!!