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青い海が濁ってる!沖縄の赤土問題に着目

青い海に自然豊かな沖縄の環境。
しかし、そんな沖縄の美しい自然環境が抱える深刻な課題の一つに、赤土流出という環境問題があります。
あまり知られていないこの現状を、ぜひ知ってください!

赤土問題とは?

画像引用:NPO法人おきなわグリーンネットワーク
土壌の表層部分は、下記の2種類の土から構成されています。

黒土

・わずかに有機質が含まれて、黒っぽい色をした

・微生物が落ち葉などを分解している過程でできる

・稲やジャガイモの栽培に適してる

赤土

・火山灰土に鉄分が多く含まれている、赤い色が特徴

・微生物の分解が全て終わり、黒土の下に堆積されていく

・サツマイモや蕎麦の栽培に適している

本土も同じ土壌ですが、沖縄は本土よりも気候が温暖かつ湿度が高いため、黒土の分解スピードが本土より早くなります。
そのため、沖縄の黒土は常に薄く、地中深くにあるはずの赤土層が地表面に露出しやすくなる地質です。
雨が降ると赤土が削られて、川から海へ流れ出てしまいます。
沖縄の沿岸部には、サンゴ礁に囲まれたイノー(礁地)が存在し、多くの海洋生物の住処にもなっています。
しかし、赤土が海に流出してしまうとサンゴ礁に赤土が積もってしまい、サンゴは光合成ができずに最終的に死滅してしまうのです。
サンゴの死滅だけではなく、サンゴ礁に生息する多くの海洋生態をも崩してしまいます!!
海の生物は陸上よりも多く存在し、その生態系が崩れることで私たちの生活自体にも大きな影響を与えることに繋がるでしょう!!

人間の活動により環境が変わった

赤土流出は昔からあり、もともと自然でもこのような現象は起こっていました。
しかし、高度成長期に入り、人間の活動は産業が栄えて豊かな生活に変わると共に、自然を壊す原因になっています!!
過度な開発や適切でない土地利用が、この問題を悪化させています。
例えば、土地の開墾や宅地開発が急速に進められたことにより、森林や山地だった多くの場所が掘りおこされました。
農地は整備され大型トラックも入れるようになり、住宅もたくさん増えましたが、それと引き換えに、赤土が剥き出しになり流出が急増し、環境問題にまで発展しました。
雨や台風の時に赤土流出が発生して、濁る海を見るたびに心が締め付けられます。。。

赤土を抑える取り組み

画像引用:沖縄タイムス

沖縄県ではこの問題に対し、2017年に「赤土等流出防止条例」を制定しました。
しかし、この制定は「工事現場」限定によるもので、個人での取り締まりはありません。
根本的に赤土流出を減少させるためには、農地や施設の適切な管理が不可欠です!
赤土流出防止策として、グリーンベルトやマルチングなどの対策がありますが、どちらも完全ではなく、継続して対策をしなければならないなどのデメリットも抱えています。
持続可能な農業や土地利用の促進、適切な排水システムの導入などが、赤土流出の抑制に繋がります。
赤土流出という問題は、沖縄の美しい海岸線と海洋生態系を守るために、私たち全員の協力が求められる重要な課題です。
持続可能な環境を守るために、みんなで行動を起こすことが大切になってくるでしょう!

赤土流出を止め、自然を守る取り組みを!

昔の沖縄の海岸線は、美しいサンゴ礁と多様な海洋生物が生息する楽園でした。
しかし、現代においては、人間の活動によって土壌が流出し、海に大きな被害をもたらし、美しいサンゴ礁が減ってきています。
赤土流出の問題は、海岸線の美しい景観だけでなく、海洋生態系にも深刻な影響を及ぼしています。
沖縄の問題だけでなく、地球規模の環境問題と捉えて、豊かな海や生き物を残すための対策をしていきたいです!

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