高級食材「フカヒレ」がいよいよ消える日
中華料理の高級食材を代表する「フカヒレ」。
フカヒレスープや姿煮といった高級食材が日本のレストランや市場から消える日が迫っています。
ここでは、世界各国で実施されているフカヒレをめぐる禁止法案や動きを紹介しましょう。
【米国・EU】取引や売買は禁止行為
乱獲や混獲、密漁が原因で、過去50年で世界のサメとエイの70%以上が減少しています。
「シャークフィニング」と呼ばれる、フィン(尾)のみを切り取り胴体を海へ戻す
残忍な行為が多発したことで溺死や飢えて死んだり、他の魚に食べられて命を落とすサメが後を絶ちません。
こうした非人道的な漁からサメを守るため、2021年に米国ではフカヒレの売買を禁止する法案を可決。
アメリカ13州、45以上の航空会社、Amazonやディズニーなど15の主要企業、22を超える運輸会社が
フカヒレの輸送または取引を拒否しています。
こうした動きはEU、カナダ、コスタリカといった各国に広がりをみせています。
【イギリス】フカヒレ食品の流通を禁止に
英国では2021年8月より、缶詰を含むフカヒレ食品の輸出入を禁止しています。
残忍なシャークフィニング行為は20年以上前より禁止されてきたが、慣行として続いてきたといいます。
貿易自体に制限を設けることで、間接的にサメ保護問題に取り組む狙いがあるようです。
サメは生態系の捕食頂点者
周知の通り、サメは外洋生態系のトップに君臨する存在です。
その一方で、繁殖や妊娠期間に時間がかかり、年間に生まれる個体数が
少ないという生存戦略の脆弱性も持ち合わせています。
海洋生態系の崩れは、人間や地球全体にも深刻な影響を及ぼす可能性があるでしょう。
現在日本ではフカヒレやフォアグラなどへの制限はありませんが
一部の高級ホテルやレストランでは取り扱い廃止を決定する場所も出ています。
世界のこうした潮流は、今後日本人のライフスタイルや食嗜好にも影響を与えるでしょう。
※参考
https://usa.oceana.org/press-releases/senate-passes-ban-us-shark-fin-trade-world-oceans-day/
https://www.gov.uk/government/news/government-to-introduce-world-leading-ban-on-shark-fin-trade