半世紀でサメが71%減少。止まらない乱獲!
今回はサメが年々凄まじいスピードで減少しているという悲しい現実をご紹介させて頂きます。
サメとエイ18種類の個体数が1970年以降に70%減少していることを突き止め、学術誌「ネイチャー」で論文が発表されています。
減少している原因の一つとして海洋汚染があり、海洋生物が暮らせる海の範囲が少なくなっていますが、それ以上に”人間の乱獲”がサメたちにとって一番の脅威です。
サメのヒレはフカヒレスープの材料として高い価値があり、ヒレを切り取られ海に捨てられることもあります。
コロナワクチンの開発にサメの肝油が使われ絶滅が加速!
肝臓の油にはサメの生存に欠かせない浮力を生み出す物質「スクアレン」があります。
スクアレンの大部分は化粧品に使われていますが、この物質には免疫反応を強めてワクチンの効果を高めてくれるという重要な役割もあるので、コロナ禍でサメの乱獲に拍車がかかっています。
スクアレンが目的で捕獲されるサメは毎年300万頭以上。
さらに1トンのスクアレンを抽出するのに2500頭〜3000頭のサメの肝臓が必要であり、これは現在確認されている野生のオオジロザメ約3500頭とほぼ同数です。
つい最近までサメがここまで減少していることは漁師や研究者でも知らない事実でした。
サメは”海の白血球”なのです。
サメは”海の白血球”と呼ばれるほど重要な生きものです。
”海のギャング”とも呼ばれるサメはある程度の大きさがある魚でも捕食ができます。
増えすぎてしまった種のバランスを安定させることで、海の平和を守るサメがいなくなると環境への影響は甚大です。
怖いイメージがあるサメですが、サメによって命を奪われる人間が毎年平均4人なのに対し、人間による乱獲でサメの命が毎年1億頭以上も奪われています。
大きな力がある人間にはサメであっても命が奪われるばかりで、人間ほど恐ろしい存在はないのでしょう。
人間の都合によって一つの種が消えてしまう悲しい事態は避けなければいけません。