マイピックアップNo. 983

ヤングケアラーについて認知を広げよう!

「お姉さん、お兄さんが下の兄弟の面倒を見る」
「家族の面倒は、家族で支える」

よく見る光景ではありますが、、、、実は見えない部分でこれが大きな問題になっているようです。
子供たち本人でさえ気が付かない、そして周りに言えないなどの苦しみを抱えているヤングケアラーの子供たちがいることについてまとめました。

ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは、18歳未満の子どもが家族の介護や世話を日常的に行うことを指します。
お手伝いの一環と捉えることもできますし、家族で支え合いながらなので、もちろん悪いことではありません。
しかし、本来は子供は外で遊んだり、勉強や部活など、この時期にしか得られない貴重な体験をするのが仕事と言えるでしょう。
ヤングケアラーの子供たちは、そういった子供の特権が叶わずに、介護や世話に時間を犠牲にしています。
ヤングケアラーの具体的な役割は下記のように多岐にわたります。

・家事(食事の準備や掃除・洗濯)
・家族の世話(兄弟の世話)
・介護や感情面のサポートなど

本人が苦に感じずとも、長期間による介護や世話が続けば、精神的疲労や肉体的疲労は蓄積されます。
そうすると、学業に集中できなかったり、また時間が取れず友人との関係にも影響が出るため、いざ辛くなったり相談したい時に頼れる存在が近くにいないことも問題になります。
そして、勉強や経験が少ないヤングケアラーは、将来的に進学や仕事のキャリアにも響いてくるため、大きな問題になっているのです。

現在どれくらいのヤングケアラーが存在するのか

統計データによると、小学6年生の6.5%、中学2年生の5.7%、全日制高校2年生の4.1%がヤングケアラーであると回答しています。(参照:Spaceship Earth
小学6年生だと約15人に1人、中学2年生では約17人に1人、高校2年生は約24人に1人がヤングケアラーである割合になります。
平日1日にケアに費やす時間は、小学6年生で平均2.9時間、中学2年生で平均4.0時間、全日制高校2年生で平均3.8時間。
大人でさえ、仕事終わりに家事や世話があると「疲れたー」って感じますよね。
子供が大人と同じような生活を強いられているとしたら、それはとてもとても重荷に感じるのではないでしょうか。

ヤングケアラーになる原因と背景は?

家族みんなで仲良く暮らす。
とても幸せな家族に見えますが、そのうち介護を必要とする人が1人いたらどうでしょう。
多くの家庭では、両親が共働きで祖父母のどちらかが介護必要となる場面では、子供が介護を担うことが多いようです。
介護だけでなく、幼い兄弟がいたら上の子が親の代わりに面倒を見るということも、よくみられます。
子供だけでは大変ならば、ショートステイや介護施設、託児所などを利用することも検討できるでしょう。
しかし、経済的な余裕がない家庭では、こういった施設を利用することができず、子どもが介護や家事や育児をする当事者となるケースが増えているのです。
また、文化的背景として、日本では「家族の問題は家族で解決するべきだ」という考え方が根強く残っているのも大きな原因になっています。
家族のことは家族だけで完結することが美徳とされ、外部の支援を求めることが少ないです。
結果として、子どもたちが介護や家事の負担を一手に引き受ける状況が生まれています。 

この他にも、片親であったり、親が病気だったり、障がいのある家族のサポートを担っているなど、さまざまなパターンがあるので、広い視野をもって対応していくことがとても重要です!

今後のヤングケアラーの対策について

ヤングケアラーについては、まず認知度を高めて、その存在を広く知ってもらうことが重要です。
学校や地域コミュニティを通じて啓発活動を行い、ヤングケアラーの実態や問題点を周知させていく必要があります。
思春期を迎える子供の時期は、ヤングケアラーの特定と支援を行うための専門スタッフを配置し、自治体は地域のリソースを活用して支援プログラムを提供することが重要でしょう。
その他にも、ヤングケアラーが気軽に相談できる窓口を増やしたり、ヤングケアラーを支援するための法的支援を充実させることも対策の一つに挙げられます。

まとめ

介護や家事の負担は、子どもたちが本来、勉強や遊びにつかえる時間を奪い、学業や友人関係に影響を及ぼすことが多いです。
しかし、ヤングケアラーの認知度は非常に低く、8割以上の人が「聞いたことがない」と回答しているそうです。
家族間のことは、他人が口出ししにくく、ヤングケアラーの子供たちも負担に感じてることを伝えることができない現状があります。
しかし、もっと認知が広がり、子供たちがのびのびと過ごせて家族も負担を感じない取り組みが広がっていくと、より住み良い世界が作られるのではないでしょうか。

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