マーガリンは体に悪い?トランス脂肪酸のリスクと安心な選び方
マーガリンの別名として「食べるプラスチック」「狂った油」といった言葉を一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
バターより安価でさっぱりしていて、冷蔵庫から出してすぐにパンに塗れる手軽さから、朝食の定番として親しまれてきたマーガリン。しかし恐ろしい噂を聞いて不安になり、食べるのを躊躇してしまうようになったという声も少なくありません。
今回は、マーガリンにまつわる噂の真相や気になる健康への影響、そして安心・安全な選び方について分かりやすく解説します。
マーガリンの危険性と噂の真相
マーガリンの都市伝説
「マーガリンは食べるプラスチックである」という噂は、日の当たる窓辺に置いても腐りにくいことや、温めると溶け、冷やすと固まる物理的な性質がプラスチックに似ていることから生まれた俗説です。実際にプラスチックの成分が含まれているわけではありません。
しかし、マーガリンが懸念される本当の理由は別の点にあります。
マーガリンとトランス脂肪酸
バターが牛乳由来の動物性脂肪から作られるのに対し、マーガリンは常温で液体の植物油(菜種油や大豆油など)に水素を加えて固形化(硬化油)して作られます。この製造過程において発生するのが「トランス脂肪酸」です。
マーガリンによる健康リスク
人工的に作られるトランス脂肪酸を過剰に摂取し続けると、以下のような健康リスクが高まることが指摘されています。
- 悪玉コレステロール(LDL)が増加し、善玉コレステロール(HDL)が減少する
- 動脈硬化を促進し、心筋梗塞などの冠動脈性心疾患(循環器系疾患)のリスクが高まる
海外におけるマーガリンの規制状況
アメリカのマーガリン規制
こうしたリスクを受け、海外では早期から規制が進められてきました。アメリカではFDA(食品医薬品局)の規制により、2018年6月をもってトランス脂肪酸の主な発生源となる部分水素添加油脂(PHO)の食品への使用が全米で原則禁止されました。
ヨーロッパのマーガリン規制
ヨーロッパ(EU)諸国でも、トランス脂肪酸の含有量に対する厳格な上限基準が設けられています。現在ではWHO(世界保健機関)の指針のもと、世界中の多くの国々で規制や容器への表示義務化が定着しています。
各国の詳しい規制状況やWHOの取り組みについては、農林水産省公式HPのトランス脂肪酸に関する各国・地域の規制状況で詳しくまとめられています。
日本でのマーガリンの安全基準
日本人のマーガリン摂取量
では、なぜ日本では欧米のような全面禁止の規制がないのでしょうか。その最大の理由は、日本人の食生活におけるトランス脂肪酸の平均摂取量が欧米諸国に比べて著しく少ないためです。
厚生労働省が公表しているトランス脂肪酸に関するQ&A(厚生労働省)においても、日本人の大多数はWHOが定める目標基準(総エネルギーの1%未満)を下回っており、「通常の食生活では健康への影響は小さい」と結論付けられています。
企業のマーガリン低減努力
さらに、日本の国内メーカーによる継続的な技術革新も大きな理由です。製造工程や原料の見直しが進められた結果、現在の家庭用マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は劇的にカットされています。過剰に神経質になる必要はありません。
日本国内における油脂メーカーの低減技術や製品への反映状況については、業界団体が発行するトランス脂肪酸の削減等への取組(日本マーガリン工業会 PDF)にて公表されています。
安心なマーガリンの選び方
トランス脂肪酸ゼロ表示マーガリン
より安心して食卓に取り入れるためには、パッケージの表記を確認するのがおすすめです。現在では「トランス脂肪酸低減」「部分水素添加油脂不使用」「硬化油不使用」などと明記された商品が数多く販売されています。
原材料にこだわったマーガリン
また、化学合成添加物や着色料を使用していないオーガニック品や、国産の植物油を使用したプレミアムなマーガリンも選択肢の一つです。自分や家族の健康を守るために正しい知識を持ち、納得できる商品を選んでいきましょう。
マーガリンに関するQ&A
Q1:マーガリンとバターの違いは何ですか?
A:主な違いは原料です。バターは牛乳(生乳)から作られる動物性油脂ですが、マーガリンは主に菜種油や大豆油などの植物性油脂を原料として加工・固形化したものです。そのため、マーガリンは植物由来のさっぱりとした味わいや、冷蔵庫から出してすぐに塗れる扱いやすさが特徴です。
Q2:外食や加工食品に含まれるマーガリンも安全ですか?
A:日本の食品メーカーや外食産業でも、家庭用マーガリン同様にトランス脂肪酸の低減化が進んでいます。ただし、業務用油脂の中には商品ごとに違いがあるため、気になる方は成分表示で「部分水素添加油脂」の記載がないか確認したり、原材料に配慮した食品を選ぶと安心です。
Q3:子供や妊娠中でもマーガリンを食べても大丈夫ですか?
A:日本人の平均的な食生活において、通常の量であれば健康に大きな影響はないとされています。より安全性を高めたい場合は、トランス脂肪酸が低減された商品や、着色料・香料などの添加物が少ないオーガニック・無添加タイプのマーガリンを選ぶことをおすすめします。
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【参考・公的機関の情報】
トランス脂肪酸の健康影響や最新の調査データについて詳しく知りたい方は、農林水産省のトランス脂肪酸に関する情報ポータルをご確認ください。
2026年8月 加筆修正











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