マイレビューNo. 989

ファクトフルネスから読み解く世界

【FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣】ハンス・ロスリング (著)

世界で300万部の大ベストセラーを叩き出した、こちらの本を読んだことがあるでしょうか。

今一度読み直しても、考えさせられる本だったので共有したいと思います!

ファクトフルネスとは?

ファクトウェルネストとはタイトル画像 ファクトフルネスとは、データや事実にもとづき、世界を読み解くことです。 テレビや雑誌などで得た知識で、環境問題や貧困、差別などまだまだ差が大きいと感じたことはありませんか?
戦争や格差、異常気象が頻繁に起こっている。 これらの報道をしばしば見ると、世界はまだ悪い状態ではないかと心配になります。

しかし、実際の世の中は全体的に良くなってきているのです。 では、なぜこんなにも私たちの考えと、実際の世の中がこんなにも食い違っているのか。 それこそ、この本の伝えたい内容です。

教育・貧困・環境・エネルギー・医療・人口問題などをテーマにあげて、世界の正しい見方をわかりやすく紹介してくれています。

10の思い込み

10の思い込みタイトル画像

この本には、クイズが出題されていますが、なんと正解率は約16%ほどしかないそうです。 しかも、どんなに高学歴な人や専門分野の人であっても正解率は低かったのだそう。

試しに私もやりましたが、1つしか正解がありませんでした。 その理由としては、人の脳は「思い込み」を本能的に持っており、無意識にドラマチックな世界の味方をしているからだそうです。 思い込みは10個あり、その思い込みを排除しないと正しい世界の味方ができないと言っています。

ここではその思い込み10個を理解してみましょう!

1.分断本能

「貧困↔︎裕福」「勝ち↔︎負け」「先進国↔︎発展途上国」 このように2択に分けて分担してしまうことです。

これを防ぐためには、平均を見るのではなく分布をみると、2択に惑わされず、そして分断をせずに捉えることができます。

2.ネガティブ本能

私たちは、大昔の本能として”身を守るため”にネガティブ本能が働きます。 しかし、現代は身の危険もなく過ごすことができて、悪い部分を大きく捉えすぎてしまう傾向にあります。

また、良い部分よりも悪い部分の方が、人は目が行きやすいというのもあるのです。 ネガティブだけにフォーカスするのではなく、良い部分も同時に起こっており、良いと悪いは表裏一体であることを理解しましょう!

3.直線本能

上がるか下がるかのように、直線で物事は動いていません。 人口を例にあげると、増加傾向と言われ騒がれていましたが、実際には人口増加率が下回ったときもあります。

統計で見ると直線でも、S字カーブだったりコブのように変化したりとさまざまな動きがあることを覚えておきましょう。

4.恐怖本能

恐ろしいと思うものが、現実に起こったらより恐ろしく危険なものと感じてしまう本能です。 最近の例ですと、コロナウイルスに対して、今だに恐怖を持っている人もいるでしょう。

ですが、現在に至ってはコロナウイルスの致死率は98.4%も減少しています。 >恐怖のイメージが膨らむと、より恐ろしいことが起きるかもと働き、正しい判断ができなくなります。

まずは、現状と事実をしっかり確認し冷静に捉えられるようにしましょう。

5.過大視本能

ユニセフの調査で、2019年時点で「5歳未満児死亡数」は約520万人という結果が発表されました。 これを見ると、多くの人は過大視本能が働き「こんなにもたくさん亡くなっているのだ」と思い込みます。

ですが、2010年時点では約700万人、1990年にいたっては1250万人という数の子供が亡くなっていたのです。 現在の数字を見れば、ショックな数字かもしれませんが、比較すると格段に良くなっていることも分かるでしょう。 このように、比較して判断することもとても重要な事です。

6.パターン化本能

パターン化本能とは、公式のようにひとつの例にあてはめてしまう思い込みです。

昔のパターン化をあげるとすると「安定した会社で、女性は家庭に入り、男はしっかり働く」みたいな感じでしょうか。 他にも、若いからというだけで一括りだと思ってしまうのも思い込みですね。

そういうパターンの人もいるけど、他の人は?他の国は?他の意見は?など疑問の目を持つことも大切です。

7.宿命本能

「日本は安全で平和」「アフリカや途上国は危険で不安定」と思っている人は多いでしょう。

このように、国や文化、宗教などで、人生が決まってしまうと感じてしまうのは、これまでの背景があるからです。

しかし、ここ数十年で世界は大きく変わっています。 ITが発展してネットワークが広がったり、インドが世界3位の経済大国になるなど、どんどん変わってきています。 小さな進歩は目立たなくゆっくりした変化ですが、長い年月がたてば大きな違いが生まれることもあることを理解しましょう。

8.単純化本能

一つの原因に一つの回答を当てはめてしまうと、正しい回答は得られません。
世界には色々な事柄が重なり起きています。 一見、答えが見えても、単純にそれが正解と決めつけてしまうと、本質には辿りつけることはできません。
もちろん、自分の意見を述べるのは間違いではありませんが、あらゆる面から問題の回答を見れるようにしましょう。

9.犯人探し本能

問題が起こった時に、それは本当に一人だけの問題だったのか。 >誰しも、自分が不利な状況に立つのは避けたいはず。 そして問題が起こった場合、誰かを犯人にしようと探してしまいます。 ですが、必ずしも誰か一人だけが原因とは限りません。 周りの環境や、システムエラーなど、複数の原因が関係することもあるので、さまざまな可能性を考えなければなりません。

10.焦り本能

環境破壊や地球温暖化に対して、”すぐに対策しなければ手遅れになる”という焦りはとても危険です。 例えば、タイムセールや期間限定と聞くと、買いに走る人も多いはず。 これがエスカレートすると、地震や台風などの災害時にスーパーへ買い占めに走ったり、「オレオレ詐欺」のような電話に焦って、お金を振り込んでしまうという本能が働いてしまいます。 まずは冷静に判断することが大切です。

事実に基づいて世界をみよう

事実に基づいて世界を見ようタイトル画像

私も環境問題について学ぶようになってから、すぐに行動しないと地球が滅びるとか、これまでの大人や裕福な人が地球を汚し壊してきたのだと責任転嫁していた時がありました。 まさに、犯人探し本能や焦り本能が働いていたのです。 ですが、この本を読んで見え方が変わりました。

確かに、サスティナブルな会社も増えて、環境に配慮した商品もたくさん生み出されてたり、環境問題について発信する人も増えている。 そう考えると、地球も人類も良い方向に向かってきているのが分かります! これからも、世界はゆるやかに変化していきます。 その時は、この10の思い込みを忘れずに、きちんとリサーチして事実に基づいた行動が取れるようにしていきたいと思います。

    スポンサーリンク
    この記事はいかがでしたか?よければ「Good」してください。
    1+
    あなたのコメントが役立ちます!コメント募集中!
    0 件のコメント
    Inline Feedbacks
    View all comments