このブランドは誰のもの?
みなさんこんにちは。
SDGsを経済の観点から捉えた記事を主にUPしています。eSです。
株式会社が誕生してから約400年という年数が経ち、戦後焼け野原になった日本を、社会を、豊かにしてきた“会社“が今、岐路に立っています。SDGsの達成に向け一丸となっている今、利益を過度に追い続け、株主に報いる経営姿勢全体にZ世代の若者らがノーを突きつけ、社会への貢献や存在意義を明確に示すよう求め始めていると言われています。
社会との分断に危機感を募らせた米経営者団体のビジネス・ラウンドテーブルは【パーパスの再定義】を呼びかけました。時は2019年でした。その年の19年は通年の2倍、日本に限れば5倍もの数が【パーパス】に対しての問い合わせをしたともいわれています。
我々一人ひとりは、何のために働いているのか。そもそも御社の存在意義を言えるのか?働くということが生き方に変わり、意味を持つ時代になり、会社やブランドもより価値を求められるようにもなりました。
そんな中、今年4月スープストックがブランド価値を見誤り炎上騒動に繋がったとされる記事を目にしました。ことの発端は“離乳食を無料で提供します“というサービスをツイートしたことがはじまりでした。ソーシャルグッドに満ちたこのサービスがなぜ炎上騒ぎにつながったのか…
このツイートには”ありがたいです“という意見がある中に、“子供が苦手なのでしばらく行きません“や、“おひとり様を大切にしないんですね“などといったネガティブな意見も目立ち、3200万の閲覧を超える、炎上騒ぎとなりました。
その原因はスープストックに対して顧客一人一人が持つ【ブランド価値】のズレがもたらしたものだと解釈されていました。
1999年にスープストックは“女性1人でも気軽に入れるファストフード“としてオープン。働く女性のための居場所としてブランドポジションにも成功していました。そんな中、松尾社長は自らが【100本のスプーン】を立ち上げた時の経験の中で、離乳食の無償提供に取り組んでいたこともあり、それを今回スープストックにも…と思って実行した矢先の炎上でした。
その理由を松尾社長は顧客との【コミュニケーション不足】と話していました。長年のヘビーユーザー達は、この離乳食無償提供の変化を、働く女性の静かで優しい場所が変わってしまう!と思ったそうです。
先にも書きましたが、今は商品価値だけではなく企業やブランドそのものに“価値“を、見出す時代です。その価値というのは、自分たちは何者であるかを示すことと、どのように社会的役割を果たしていくのかといったことを合わせたものではないかと思っています。
2019年から4年経ち、そのような【存在意義】を問う時代はより深まっていると思います。
その存在意義が少しズレるだけでも顧客に届かなくなることもある。けれどもしっかり届いた時にはゆるがない企業価値を根付かせることもできるのだと思いました。