世界で起こる気候変動に伴う環境被害について考える
アメリカで起きた竜巻被害
2021年12月10日の夜にアメリカ南部のケンタッキー州を含む6州で、大小合わせて数十もの竜巻が相次いで発生し、建物の崩壊や、死傷者の被害が多数報告されています。
12月13日の時点で、南部ケンタッキー州では1000棟を超える住宅が大きな被害を受け、ろうそく工場が倒壊し、当時中にいた従業員など約110人のうち多くの人ががれきの下に閉じ込められました。数十人救助されていますが、そのほかの人たちの安否は明らかになっていません。
中西部のイリノイ州では、アマゾンの倉庫の屋根が崩れ落ちたり、壁が100メートルほどにわたりなくなるという大きな被害を受け、死者も確認されています。
竜巻の原因
竜巻の発生については、「スーパーセル」と呼ばれる巨大な積乱雲によって多くの竜巻が起きたと言われています。
「スーパーセル」は非常に強い上昇気流によってできる巨大な積乱雲で、空気が回転しながら上昇し、建物に大きな被害を及ぼす破壊力の強い竜巻を複数引き起こすのが特徴です。
竜巻は春から夏にかけて起きることが多く、12月に起きるのは異例とされています。
気象庁は、この時期としては高い気温に加え、上空に流れ込んだ強い寒気の影響で大気の状態が急速に不安定になり、竜巻が発生しやすい条件となった可能性があるとみています。
平均気温は平年を5度から10度前後上回り、この時期としては記録的な暖かさだったところが多かったということです。気候変動と竜巻の関連については現在、専門家によって研究されているそうです。
日本では…
2021年、沖縄県では海岸に漂着した軽石問題が取り上げられています。
2021年の8月に小笠原諸島の海底火山が噴火したことが原因で溶岩が急激に冷えてできた軽石が沖縄の海岸に大量に漂着し、漁業がストップしていることが問題に上がっています。
漁業への影響は、10月末の時点で沖縄県内の漁船約750隻以上に及ぶエンジントラブルが起きており、修理が必要であったり、中には航行できなくなった漁船もあることが確認されています。
また、漁港で養殖していた魚が、軽石を飲み込み大量死している被害も出ています。
噴火の影響
火山噴火は、軽石問題だけでなく地球温暖化につながるとも言われています。
火山が噴火すると、エアロゾルという粒が大気中に漂います。
エアロゾルは、太陽からの放射を反射して、日傘のように温暖化抑制効果がありますが、一方で、太陽からの反射を吸収して大気を温める効果もあり、気候変動に影響をもたらす可能性があると言われています。
気候変動の対策としてできること
気候変動による被害は、自然的要因でも起こりうることなので、100%阻止することはできません。しかし、人為的な要因で起こりうることは、一人ひとりの努力で最小限にすることはできます。
世界的に問題となっているのが地球温暖化です。
温暖化は、二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスが原因の一つです。
牛のげっぷは「メタン」を含んでおり、大気中のメタンガスの20~30%は動物のげっぷによるものだと言われています。そのため、げっぷを出しにくくする消化の良いエサの開発が進んでいるそうです。
しかし、エサの効果にも限界があるので、可能な限り動物性の食事をしないことを心がけるのが重要です。
最近では、お肉の代用品も多く取り扱われるようになっていて、ヴィーガンレシピも多く取り上げられており、気軽に取り入れられます。
是非、他人事と思わず世界の環境、経済を守るために、少しずつでも取り組んでいきましょう。