SDGs特選コラムNo. 1100

持続可能な社会を築く力:部活動が育む未来の担い手

部活動は単なる課外活動にとどまらず、持続可能な社会を担う人材を育てる教育プラットフォームとなっています。スポーツの枠を超え、未来の社会変革を担う人材を育て、いかにSDGs達成に貢献しているのか、具体的な取り組みを通して見ていきましょう。

人間的成長と競技力の向上は同時に可能

京都府立城陽高等学校サッカー部は、1972年の創部以来、全国高校サッカー選手権大会に3度の出場経験を持ち、京都府内でも高い競技力を誇る伝統校です。

同校サッカー部は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標4「質の高い教育をみんなに」と目標12「つくる責任 つかう責任」の達成に向け、独自の「サステナビリティ・プランニングシート」を活用した取り組みを行っています。

具体的な取り組み内容

1.環境負荷の可視化

練習や試合で使用する資源(例えば、水や電力、用具など)の消費量を記録し、環境への影響を数値化しています。

2.個人の資源利用の最適化

各自が無駄を省き、効率的な資源利用を心がけることで、持続可能な行動を促進しています。

3.リサイクル・省エネ意識の向上

ゴミの分別やリサイクル活動、省エネルギーの実践を通じて、環境意識を高めています。

上記の取り組みにより、生徒たちは環境への配慮と自己管理能力を同時に養い、持続可能な社会の実現に向けた意識を高めています。

競技面での成果

サッカー部の活動は、競技面でも成果を上げています。 例えば、令和6年度の全国高等学校総合体育大会(サッカー競技)ではベスト8の成績を収めました。また、同年度の第103回全国高校サッカー選手権大会京都大会においてもベスト8に進出しています。

さらに、サッカー部3年の松本悠真さんが、令和6年度第103回全国高校サッカー選手権大会京都大会で優秀選手賞に選ばれるなど、個人としても高い評価を受けています。

これらの成果は、サッカー部がSDGsの理念を実践しながら、競技力の向上と人間的成長を両立させている証といえるでしょう。

SDGsの認知と実践を成果につなげる

岡山県は、SDGsの名称認知率が日本一高い県として知られ、県全体でSDGsの推進に力を入れています。

そのため、岡山県の中学校バスケットボール部は、競技力の向上とともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた多様な取り組みを行っています。

特に、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と目標10「人や国の不平等をなくそう」に焦点を当てた活動で成果を挙げています。

具体的な取り組み内容

1. 多様性を重視したチーム運営

男女問わず参加できる環境を整備し、性別や背景を超えた多様性を尊重するチームづくりを推進しています。

2. 性別に関わらない公平な参加機会

男女混合の交流戦や合同練習を実施し、すべての生徒に平等な競技機会を提供。ジェンダーの壁を取り払い、互いの成長を促進しています。

3. 社会課題解決型の目標設定

バスケットボールを通じて、障がい者スポーツ支援や地域貢献活動を実践。スポーツの枠を超え、社会的意識を高める活動を行っています。

上記の取り組みはジェンダーの壁を越えた協力や競争が促進されたり、社会的な意識の高い人材が育成されたりしています。

競技面での成果

岡山県の中学校バスケットボール部は、2024年8月に開催された第54回全国中学校バスケットボール大会において、男子の倉敷市立南中学校と女子の就実中学校がベスト8に進出するなど、全国大会でも男女共に活躍しています。

部活動に求められる未来

部活動の役割は、持続可能な社会を担う人材を育成する、未来への重要な投資となっています。もはや競技力向上や学校生活の一側面にとどまらないといえるでしょう。

ただし、部活動の本質は変わっていません。それは、仲間と共に学び、成長し、困難に立ち向かう力を育むことです。この普遍的な価値こそが、激変する社会の中で、部活動が持つ最大の可能性だといえます。

部活動の持続可能性を確保するために、さらなる社会的支援、柔軟な運営モデル、そして教育的価値の可視化が必要となるでしょう。

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