森林伐採が止まらない。世界で1分間に東京ドーム2個分の森林が消失している事実

私たちが知るべき森林危機。今、地球で何がおきているのか
今この瞬間も、地球のどこかで森林が失われ、その速度は想像を超えています。
国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、1990年から2020年の30年間に世界で減少した森林面積は年平均で約592万ヘクタールに達し、これは1分間に約2.4個分、1時間では約144個分の東京ドームに相当する森林が消失している計算
https://www.shinrin-ringyou.com/forest_world/menseki_gensyou.php
約1万年前、世界の森林面積は62億ヘクタールあったとされる。しかし文明の発達とともに森林は減少を続け、現在は約40億ヘクタールまで減少。地球上の陸地面積の約31%が森林で覆われていますが、世界資源研究所(WRI)によれば、原生林のまま残っているのはわずか15%程度だという。
https://www.shinrin-ringyou.com/forest_world/menseki_world.php
森林破壊が引き起こす連鎖的な環境破壊

森林の消失は、単に木が減るだけの問題ではない。地球全体の生態系と気候に深刻な影響を及ぼしています
動物への影響:生息地の喪失と絶滅の危機
国立環境研究所によると、森林には地球上の全生物の5割から9割が生息。森林伐採によって多くの動物が住処を失い、イギリスのBBCが公開したロンドン動物学協会のデータでは、地球上の生物の個体数が1970年以降断続的に減少していることが示されています。
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4534
現在、地球上では年間約4万種もの生物が絶滅していると推定。これは100年前と比較すると約4万倍のスピードです。世界自然保護基金(WWF)によると、1万4,000種以上の野生生物が絶滅の危機に瀕しています。
森林が分断されることで、動物たちは食料や水、避難所を見つけることが困難になり、遺伝的多様性が低下し、種全体の健康が危うくなります。生物多様性が失われると、食物連鎖が崩れ、生態系全体のバランスが破壊されます。
作物への影響:食料生産の危機
森林破壊は農作物にも深刻な影響を与えます。森林が減少すると土壌の肥沃化や水質浄化といった生態系が低下し、農作物の収穫量が不安定になる可能性があります。
さらに、森林伐採後に水たまりが増えることで、蚊の幼虫のボウフラが繁殖しやすくなり、東南アジア熱帯やアマゾン川流域では、蚊が増えたことによってマラリアの流行が拡大した例も報告されています
最大の要因は畜産業(特に牛肉生産)

2015年の研究では、森林破壊率が高い7カ国において、森林破壊の原因の40%を牛肉、大豆、パーム油、木製品の4つの商品が占めており、このうち牛肉による森林破壊の割合が最も高く、他の3つの商品を合わせた2倍以上の森林破壊の原因となっている 世界の森林の減少と減少速度と報告されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/森林破壊
具体的な影響
土地利用の規模:
- 地球の陸地の26%が家畜の放牧地に使われている
- 世界中の農地の大部分、75〜80%が家畜用の飼料の生産に使われている
- 畜産を含める工業型の食料システム全体が、森林破壊の原因の80%を占める 森林破壊によって動物など生態系はどんな危機に面しているの?
https://www.greenpeace.org/japan/news/story_6905/
アマゾンへの影響:
- アマゾン森林破壊の91%が畜産業によるもの 森林破壊がもたらす人間や動物への影響とは?地球温暖化との関係とその対策について解説 | 株式会社PID
- アマゾンの以前に森林に覆われた土地の約70%が牧草地として使用されている 世界の森林の減少と減少速度
https://myethicalchoice.com/journal/climate-change/livestock-and-environment/ https://ja.wikipedia.org/wiki/森林破壊
その他の主要因
森林の減少・劣化の主な原因としては、プランテーション用地を含む農地等への土地利用転換、持続可能な森林経営を阻害する違法伐採、自然の回復力に配慮しない非伝統的な焼畑農業、燃料用木材の過剰な摂取、森林火災などがあげられる 世界の森林面積と森林率とされています。
https://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_3.html
つまり、私たちが日常的に消費する牛肉が、実は森林破壊の最大の要因となっているという事実があります。牛肉消費を減らすことは森林保護に直接つながる最も効果的な方法の一つと言えるでしょう。
このまま進めば地球はどうなるのか
現在のペースで森林破壊が続けば、約100年で主要な森林が消失する可能性があります。
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4547
生物の絶滅速度も加速している。25年から30年後には地球上の全生物のうち4分の1が失われるという計算もある。約30年後には現在の10%から20%以上の動物が絶滅する深刻なペースで推移。
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4500
地球温暖化はさらに進行し、異常気象の頻発、海面上昇、干ばつや洪水などの自然災害が増加する。森林が減少することで地表温度が上昇し、NASAの報告によると、森林破壊は地球の表面温度を0.25度上昇させる可能性があるとされています。
https://losszero.jp/blogs/column/col_061
森を守るために私たちができること
森林破壊を止めるには、国や企業だけでなく、一人ひとりの行動が大きく関わっています。
牛肉消費を控える以外にも森を大切にする行動をピックアップします。
認証マーク付き製品を選ぶ
FSC(森林管理協議会)認証などの環境認証マークが付いた木材や紙製品を選ぶことで、持続可能な方法で管理された森林を支援できる。違法伐採された木材の流通を減らすことにもつながる。
https://benesse.jp/kyouiku/sdgs/article31.html
https://spaceshipearth.jp/deforestation/
4R運動の実践
Refuse(断る)、Reduce(減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(リサイクルする)の4Rを意識した生活を送ることで、木材の使用量を減らすことにつながります
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4500
エシカル消費を心がける
パーム油は世界の植物油生産の35%を占めるが、その大半が森林破壊を伴って生産されています。商品を購入する際に、その製品が森林破壊と関係ないかを意識することが大切。
https://losszero.jp/blogs/column/col_061
森林保全団体への支援
WWF(世界自然保護基金)やFSC(森林管理協議会)、RAN(熱帯雨林行動ネットワーク)など、森林保護を目的とした団体への寄付やボランティア活動を通じて、直接保護活動を支援することもできます。
https://sol.kepco.jp/useful/taiyoko/w/shinrinbassaieikyo/
日本の国産材を使う
日本では国産材の利用を促進することが、適切な森林管理につながります。国産材を使った製品を選ぶことで、日本の林業を支援し、健全な森林の循環を促します。
最後に
森林破壊は遠い国の話ではなく、私たちの日常の選択が、地球の森林の未来を左右しています。
一人ひとりの行動は小さく見えるかもしれませんが、多くの人が環境に配慮した選択をすることで、企業や政府もそのニーズに応えるようになり、より大きな変化を生み出すことができます。
今日からできることから始めよう。あなたの小さな一歩が、未来の森を守る大きな力になります。















