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フランスで普及する、助け合う冷蔵庫【FRIGO SOLIDAIRE】とは?

環境問題に関心が高く、世界SDGs達成度ランキングにおいても上位はヨーロッパ諸国が名を連ねています。

とくに食品ロス対策においては、フランスのイニシアチブな取り組みや施策は最前線に出ており世界中の注目を集めています。 

  社会問題である食品ロス 

食料品店やレストランなどにおいて、売れ残りや賞味期限が近いというさまざまな理由で食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」が、先進国のあいだで社会問題として深刻化しています。 

WWF(世界自然保護基金)によると、なんと世界で年間生産される食品約40トンのうち約3分の1である13億トンが廃棄されているということです。   

この現状を変えるため、フランスでは2016年には世界初となる「食品廃棄禁止法」が成立し、2025年までに食品廃棄物を50%削減するという目標を掲げています。 

これはSDGs開発目標12「つくる責任、つかう責任」を推進することに当てはまります。  

民間レベルの取り組みとしては、敷地面積400㎡ 以上のスーパーで食品の廃棄を禁じ、売れ残ったものはフードバンクやボランティア団体へ寄付することなどが義務付けられています。これはSDGs開発目標2「飢餓をゼロに」に関わります。 

  普及するみんなの冷蔵庫 
そんな深刻な食品ロスを食い止めることはもちろん、貧困状況にある人たちを助けることも可能なフランス各地で広まっている共同冷蔵庫【Frigo Solidaire 

  レストラン横などに設置され、家庭や食品店、パン屋、飲食店などで余ってしまった、もしくは賞味期限が近いなどの食料品を、必要とする人たちが自由に持ち帰ることができるものです。 

 2017年にパリのレストラン経営者のもとでスタートし、現在国内で約80台もの共同冷蔵庫が設置されています。 

筆者の住む街ではフランス国内で初めて大学キャンパス内に設置され、多くの学生や留学生が恩恵をうけており、主にパスタやサラダ(既製品)、牛乳、ヨーグルト、チョコレート、サンドウィッチなどを受け取ることができます。 

誰かが食べ物を補充して、別の誰かが持ち帰るというシンプルな仕組みです。 

  食品の廃棄処理のためにつかう化石燃料も減り、貧困・飢餓問題の解決にもむすびつく。 

この冷蔵庫は食品ロスを無くすだけでなく、地域間で人々と社会的な関係を結ぶことも目的としており、今後さらに広まることでしょう。 

備考)
https://www.linfodurable.fr/social/gaspillage-alimentaire-ou-trouver-des-frigos-solidaires-pres-de-chez-soi-18906
https://www.helloasso.com/associations/les-frigos-solidaires
https://www.wwf.or.jp/staffblog/news/4142.html

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