スポーツでの男女平等とは?現状や問題点を考える
ジェンダーとは、社会的意味合いから見た男女の性区別です。スポーツの世界でもジェンダーによる区別があります。スポーツにおける男女の区別を一概に悪いことであると見なすのは良くはありません。
スポーツによっては、男性同士であっても、階級や年齢などのカテゴリーを設けることで、生まれ持ったフィジカル差や加齢によるハンデを少なくし、技術をメインに競うことのできる環境を整えています。その観点からいくと、スポーツも男女で分けることはそのシステムに該当することにもなります。問題は、スポーツにおける男女の扱いの差です。
今回は、スポーツにおける男女平等というものについて考えていきたいと思います。
スポーツにおけるジェンダー問題例
スポーツにおけるジェンダー問題は現在進行形です。自分には関係ないと思っていても、スポーツにおけるジェンダー問題に触れている可能性もあります。代表的な例として、学校教育が挙げられます。人によっては、体育の授業が男女で別々であったり、武道は男、ダンスは女といった分け方をされていたこともあるはずです。
また、甲子園で女子マネージャーがノックの補助をしていたところ、女子はグラウンド立ち入り禁止という理由で、グラウンドを出るよう指示されたニュースも記憶に新しい出来事です。スポーツにおけるジェンダー問題は世界的ではなく、身近なところでも見聞きし、体験しているのが現状です。
スポーツにおける制度や、待遇の場面でもジェンダーの問題は指摘されています。日本柔道では、以前、女性選手の黒帯には白線が一本入っており、明確に男女の区別がなされていました。1999年に「国際柔道連盟」に女性差別と指摘され、それ以降、国際大会では女性選手も男性選手と同様に、白線なしの黒帯を巻いて試合に出場するようになっています。しかし、日本柔道界で白線入りの黒帯が撤廃されたのは2017年からです。
また、サッカーでは男性W杯と女性W杯では優勝賞金の差が約13倍もあるとされており、ジェンダーによりスポーツの制度や待遇が大きく違っていることが問題視されています。現在、少しずつではありますが、この格差を改善させる動きも出てきており、テニスの四大大会では、男女の賞金格差は解消され、サッカーも男女の賞金総額を2027年大会からは男女同額にすることを目標にしているので、少しずつではありますが、スポーツにおけるジェンダー格差を改善させる兆しは出てきています。
スポーツとジェンダーの歴史
人類の長い歴史において、男女には明確な区別がなされてきました。スポーツの世界では、1900年に開催された第2回オリンピックにて、初めて女性が参加しています。しかし、その人数は全選手997人のうち女性選手の出場ははわずか22人です。その後、夏季大会では、1976年のモントリオール大会で初の女性参加5割越えを達成し、2012年のロンドン大会で全競技の女性参加が可能となっています。
冬季大会では、2002年のソルトレークシティ大会で初めて、全競技の女性参加が可能となっています。そして、2020年東京オリンピックでは、女性選手の比率が48.8%と過去最高になり、スポーツにおけるジェンダーの差というのは少しずつではあるが、改善されつつあるようにも感じられます。しかし、これはまだあくまで「参加」のレベルであり、スポーツ全体における男女格差解消の取り組みはこれからともいえるでしょう。
まとめ
今回はスポーツにおける男女平等の現状と課題について解説してきました。女性がスポーツに積極的に関わることができはじめたのが20世紀に入ってからというのは驚きですが、21世紀ではスポーツにおける男女の格差がなくなり、平等にスポーツを楽しみ、競技レベルの向上が図られることが期待されます。
参照サイト
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/honpen/b1_s00_01.
https://cococolor-earth.com/gender-sports/
https://www.asahi.com/articles/ASP383HSGP32UTQP02L.html
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