お隣韓国での熾烈な身長問題とは?
こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。
SDGsのゴールまであと5年とちょっと。途上国に向けてのSDGsの進み具合がフォーカスされていた時期から、最近ではそれぞれの国のレベルによってのSDGsの進展具合に視点が向けられるようにもなりました。日本には日本のSDGs。例えばジェンダー平等。日本での女性の立場や社会的、政治的な側面がこれからも高められることを願っています。
お隣の韓国もジェンダー平等の差が開いています。社会面では日本よりも格差は開いているので、同じ企業に勤めていたとしても男女差は非常に大きいです。韓国は”見た目至上主義”と呼ばれる国。美しくいた方が就職にも有利であるという理由から”見た目”へのこだわりがとても強い国でもあります。親から子へ受け継がれる考え方がヒートアップしている今、将来的にどうなるのかと問題視されているそうです。
韓国政府が5月にまとめた19歳以下の青少年への調査で、2023年の平均身長は10年前に比べて男子中学生で7.4センチ、女子中学生で3.3センチ伸びているとのことです。中学生だけでなく、小学生や高校生も同様に伸びているそうで、ほぼ横ばいで推移してきた日本に比べるとその伸びは顕著です。身長は遺伝だとの考えが一般的ですが、韓国では努力次第で子どもの背は伸びるとの考えが根深いです。子どもの背が低ければ母親がいつまでも責められるといった強迫観念もそこにはあるそうです。その結果ママ友が集まれば、睡眠時間やタンパク質を増やす食生活、ビタミン剤や韓国の漢方薬など新たな情報が交差するのが当たり前で、小児科や薬局、子ども向けの教材を販売する会社でも背の伸びる栄養剤の宣伝広告があふれているのが現状です。
即効性があるゆえ、人気が高いのはホルモン注射です。1回10万ウォン(約1万円)程度の自費で注射を毎日のように打つ子どももいるといいます。親は「医学的効果が本当に出るかは分からないし、闇ビジネスのようなものと分かっていながらみんなやめられない」と話しているのが印象的でした。近年の韓国でのブームは子どもの身長の伸びを予測する検査で、ソウル市では人気がありすぎて1年待ちとなっています。
韓国人が低身長を好まない風潮の一因には、かつて就職時の身長制限が一般的で、その名残が残っていると考えられています。たとえば警察官は2007年まで「男性は167センチ以上、女性は157センチ以上」との条件がありました。大韓航空も女性客室乗務員の採用を2014年までは「162センチ以上」としていました。全男性が義務付けられている徴兵制では、一定の身長に届かなければ免除となる仕組みが今でも存在していて、「『男は背が足りなければ軍隊にも行けない』と言われ、それが学生時代にはいじめの対象の原因にもなるそうです。
身長を個人的な問題とするのか、社会で取り組むべき課題とするのか。子どもは自分の意志ではなく親の言いなりになっている部分はあるのか。先進国になった韓国でいまだに深刻な家庭の経済環境の格差を前に、議論はこれからも続きそうです。何よりも遠くない未来、健康被害がでないことを願います。