茶殻の活用その2 『伊藤園の取り組み』
画像出典:伊藤園 茶殻リサイクルシステム(お茶入りベンチ) https://www.itoen.co.jp/ochagara_recycle/
大量の茶殻の行方は?
家庭用の茶葉の茶殻は食べることができます。(家庭用の茶殻の活用についての記事はこちら)
ペットボトルで買って飲んでいる人には、茶殻がありませんね。あの大量のペットボトルのお茶の茶殻は?企業の製造過程で出された茶殻、ものすごい量でしょう。あれはいったいどのように処理されているのでしょうか?
伊藤園の取り組み
『お~い お茶』の伊藤園では、茶殻のアップサイクルを進めています。
年間に出される茶殻は58,000トンだそうです。といわれてもその量は想像できませんね。なんと10トントラック約6,000台分なのです。これが焼却処分されていたら、、、
茶殻のアップサイクル製品
茶葉にはたくさんの栄養素が入っています。その中のカテキンには抗菌・消臭効果があります。この効能を生かして様々な製品の専門企業と提携してアップサイクル製品(建材・樹脂・紙など)を作っています。
〇建材
・お茶入り畳
茶配合ボードを畳床にして活用しています。茶の消臭効果で快適な生活が期待できます。畳1枚に『お~い お茶』600㎖500本分の茶殻を使用しています。
・デザインウォール
セメント質と繊維質を原料にして板状にしたもので、防火性とデザイン性を兼ね備え、さらに茶殻を使っているので抗菌・消臭効果のある壁材です。1枚1㎡に『お~い お茶』600㎖3本分の茶殻を使用。
・タイル
タイルの原料に微細な茶殻を混ぜ込み成型・焼成した建材です。消臭・吸水・吸油・断熱効果があります。
〇樹脂
・お茶入りベンチ
表層材にお茶を配合した樹脂を、芯材に回収した食品トレーなどの廃プラスチックを使用しており、人と地球にやさしい抗菌ベンチです。『お~い お茶』600㎖200本分の茶殻を使用しています。
・その他お茶入りボールペン、インソール、枕芯材、うちわ、足つぼ健康ボード、人工芝充填剤等
〇紙類
・名刺
多層抄き紙の中層に茶殻を入れた、お茶の香りのする名刺です。伊藤園の社員はみんなこの名刺を持っているそうです。
・印刷用紙、封筒、紙ナプキン、キッチンペーパー、紙袋、マスクケース、段ボール、卓上パーティション、大型パーティションなどお茶の香りのする様々な紙を製造しています。
伊藤園の茶葉の活用は、本当に素晴らしい取り組みです。このように徹底した取り組みが持続可能な社会をつくるのだと思います。
ペットボトルの使用について気になりましたが、1.リサイクル(リサイクルペットボトル、ボトルtoボトル)、2.リデユース(軽量化、ラベルレス化)、3.リプレイス&リユース(環境配慮素材や再利用可能容器への代替)4.環境保全等に取り組んでいるとのことでほっとしました。
しかし、プラスチックをリサイクルすること自体が環境破壊を招いているという研究報告もあります。既にプラスチック製品を禁止していく国もあるようです。是非リプレイス&リユースを積極的に進めて頂きたいと思います。
出典
https://www.itoen.co.jp/ochagara_recycle/
https://www.itoen.co.jp/company/policy/package/
https://wired.jp/article/yet-another-problem-with-recycling-it-spews-microplastics/
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/02/f108123bd20d2dac.html