マイピックアップNo. 81

ハンセン病問題を風化させない、人権問題を考えるきっかけに

この記事では、人権問題として「ハンセン病問題」をピックアップいたします。SDGsの目標年である「2030年」は、多くのハンセン病経験者が寿命を終えているであろう時代でもあります。世界が「2030年」に意識を向けているタイミングで、いまいちど、ハンセン病問題を伝えていくことが、さまざまな人権問題に向き合うきっかけになるかもしれません。

ハンセン病問題の歴史

ハンセン病問題とは、日本政府の間違ったハンセン病対策のために、多くの人の人権が侵害された歴史に残すべき差別問題です。

ハンセン病は、投薬で治る病気であり、感染力は微弱な感染症であることがわかっています。にもかかわらず過去のハンセン病に対する政府の対策が、不必要な偏見や差別をうみ、患者・回復者・家族・友人・関係する人たちの戦いは終わっていると言い切ることはできません。

理不尽なハンセン病療養政策

1931年、ハンセン病患者を本人の意思にかかわらず「療養所へ強制隔離」するという対策がなされました。

療養所に隔離された人たちは、次のような状況にありました。

・療養所は海に囲まれた小さな島

・高い塀で囲まれ、患者は島から出る手段がない

・不十分な食事

・強制労働

・監禁室へ閉じ込められる

・避妊手術、中絶手術

療養所の実際は、医療施設ではなく、囚われた身のまま生涯を終えるための施設でした。

有効な薬が開発されてからは、ハンセン病は完治する病気となりました。強制隔離の廃止が当然に行われるべき状況でしたが、1953年、政府は新たに「らい予防法」を成立させ、強制隔離は続けられたそうです。この法律が廃止されたのは、1996年、つい最近の出来事です。

ハンセン病国家賠償請求訴訟

1998年、ハンセン病回復者が「らい予防法」をめぐり、国家裁判を起こし2001年、熊本地裁により、原告勝訴が確定しています。国による人権侵害であったと司法が判断するという歴史的な裁判となりました。

2009年には、ハンセン病問題基本法などが施行され、ハンセン病をめぐる問題の解決にようやく乗り出しました。

ハンセン病をめぐり、たくさんの患者や関係者が、人生のほとんどを差別や偏見に苦しんできました。その後に行われた家族への差別に関する訴訟などでも勝訴していますが、原告者の多くが実名を公表していません。いまでも、差別を恐れ、ハンセン病にかかわっていることを隠すように暮らしている実態が明らかになっています。

以上が、ハンセン病についての概要を国立ハンセン病資料館の資料を参考に、まとめたものです。

(参考:ハンセン病問題について|国立ハンセン病資料館 (nhdm.jp)

興味のきっかけは会話から

差別や偏見などの話題については、当事者でない限り触れることは多くありません。私自身は、たまたま、クリスマスに行われる地域住民向けの教会イベントで、お話を聞く機会がありました。そのお話では、牧師の先生が実際に、岡山県の療養所跡を訪れたこと、今現在は島と行き来できる橋が架けられていることなどを知りました。

友人や家族、世界のだれかの平和を考えるとき、それは、地域のイベントだったり、雑談のなかであったり、興味を持って話を聴くことが「知る」につながるものだと実感しています。

withコロナ時代、私たちは雑談をする機会が減っています。だからこそ、ひとつひとつの機会を大切に、深い関心をもって相手の話に耳を傾けていくことがSDGsに貢献する行動につながっていくと考えます。

まとめ

今回は、SDGs「目標10 人や国の不平等をなくそう」に関連した題材として、ハンセン病問題をピックアップしました。このような、差別問題を知り周囲の人に伝えること、SNSやブログで発信することも、今後のあらゆる人権問題解決の糸口になることを願っています。歴史を知ることは、私たちにできる行動の1つです。

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