無自覚に差別や攻撃をしている?「マイクロアグレッション」を認識しよう
時代とともに、メディアや公の場において差別になり得る発言や行動はとても慎重になっています。
しかし、日常生活で使う言葉や概念というものはなかなか変わっていないのが事実です。
そこで意識しておきたい「マイクロアグレッション」という行為。
このマイクロアグレッションとは「小さな攻撃」を意味する言葉です。
性別や人種、文化的背景、障害、価値観など、自分と異なる人やマイノリティ(少数派)に対して、無意識の偏見や差別心、知識の欠如によって、受け手の心にダメージを与えてしまうな言動や行動をしてしまうことを指します。
これらに「気づく」ためにも、日常にあるマイクロアグレッションの具体例を見てみましょう。
ジェンダーに関するマイクロアグレッション
- 学校において、生徒の性別を決めつける
- 職業や職場の地位において「女性なのにすごい」や「女性または男性初〇〇」
- 「男性なのに、仕事に加えて家事育児を手伝っていてえらい」
- 女性には「彼氏・夫」、男性に対しては「彼女・妻」(異性愛を前提として話したり質問する)
- 「そんな風に見えない、見えなかった」とLGBTQの相手に対して言う
- 女性に対し「得意料理はなに?」
国籍・人種に関するマイクロアグレッション
- 「日本語上手ですね」、「どこで生まれたの?」
(日本にいる外国人、ハーフもしくはそう見える相手に対して) - 「〇〇人女性・男性は〜〜だよね」(国イメージだけで性格や容姿を判断)
- 日本にいる外国人もしくはそう見える相手に対して、無意識に警戒する
- 「肌が白くていいね」
- 「ハーフだから美人だね、かっこいいね」
その他の日常的なマイクロアグレッション
- 子供に対し「お父さんお母さんに伝えてね」と言う(両親が異性の夫婦であるという前提)
- 親子を見て「似てる・似てない」という意見(親子が血縁関係にあるとは限らない)
- 「その年でそれは難しいと思うよ」(年齢における可能性の決めつけ)
- 「どこの大学でたの?」(日本の大学進学率が高いため、当たり前に質問する)
多くの人がこのように無意識に発言してしまったり、周りの誰かがそうしている場面を目にしたことが少なからずあるのではないでしょうか。
差別にもつながるマクロアグレッションは、「同じ性質、属している集団に安心して身を置きたい」という防衛本能的な心理からくるという研究結果もあります。
したがって、自分と異なる肌の色や言語、文化、振る舞いに無意識に違和感や拒否反応を持つことになりやすいのだそう。
マイクロアグレッションの主な原因としては、無知や思い込み、固定観念であると言われます。相手の事情を知らないのに、思い込みで無意識に発言してしまうことがマイクロアグレッションを引き起こしてしまいます。
わたしたちはまず学ぶことが大切です。
例えば、意図的に自分で関連する本や記事を読んだりしてみる、境遇の異なる相手へ発言する前に一度考える。
このように意識できる人が増えればマイクロアグレッシブのような差別につながることは減るでしょう。
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