マイピックアップNo. 321

【事例つき】小水力発電は地域を活性化させられる!?

再生可能エネルギーは多種多様であり、電源毎にそれぞれ特徴があります。

例えば風力発電は、再エネの最有力として最もポテンシャルが高いことを以前の記事で書きました(https://tsunagood.net/advantages-and-disadvantages-of-wind-power-generation/)。

一方で地熱発電については、安定供給が可能な電源としてポテンシャルが高いことを書きました(https://tsunagood.net/geothermal-power-is-stable-power-source/)。

太陽光発電は言わずもがな、現在の日本で最も普及しています。

バイオマスエネルギーは、種類によっては発電のみならず熱やガスとしても利用できる点が、他にはない長所ですね。

それでは、小水力発電はどうなのでしょうか。

筆者が考えるに、地域活性化に最も役立つ再エネこそ小水力発電ではないかと考えます。

そこで今回は、以下の章立てで解説いたします。

  1. 小水力発電が地域活性化に役立つ点
  2. 小水力発電による地域活性化の事例

以前筆者が小水力発電の概要と課題について書いた記事を適宜参照しながら、小水力発電がいかに地域活性化に役立つかをお伝えしましょう(https://tsunagood.net/small-hydroelectric-power-generation/)。

小水力発電が地域活性化に役立つ点

以前の記事で書いた小水力発電の長所を参考にすると、以下の点で地域活性化に役立つと考えられるのではないでしょうか。

  1. 長期稼働ができる。
  2. 安定して発電できる。
  3. 地域社会との親和性が高い。

まず長期間の稼働ができるということは、それだけ電力を自給できると言えます。

固定価格買取制度を用いて売電すれば、長期に渡り収益を産み続けるでしょう。

しかも安定して発電し続けるのですから、地域にまとまった収益をもたらしてくれるでしょう。

さらに重要な点として、日本人は大昔から日常的に水車を活用していました。

このことから、小水力発電は地域社会との親和性が高いと言えますね。

小水力発電による地域活性化の事例

それでは小水力発電による地域活性化の事例として、岐阜県郡上市の集落、石徹白(いとしろ)地区の小水力発電を見てみましょう。

石徹白の小水力発電

福井県との県境にある集落、石徹白。

ここでは以下に示すように、4ヶ所の小水力発電が稼働しています。

小水力発電設備名事業主体稼働開始年最大出力電力の用途
らせん水車NPO法人やすらぎの里いとしろ2009年800W自家消費
上掛け水車NPO法人やすらぎの里いとしろ2011年2.2kW自家消費
石徹白清流発電所岐阜県、郡上市2015年63kW全量売電
石徹白番場清流発電所石徹白農業用水農業協同組合2016年125kW全量売電

全ての発電量を合わせると、集落の電力自給率の230%にまで達するのです。

小水力発電の導入の経緯

石徹白地区は過疎化が進んでおり、住民の方々は集落がなくなることを恐れていました。

そのような中、集落へ移住した平野彰秀さんの提案により、小水力発電を導入して地域活性を図ろうとしたのです。

とはいえ当初は、地域住民の方々は小水力発電を導入することに対して積極的ではなく、あまり大きな規模の発電設備は受け入れられませんでした。

そこでまずは規模の小さい設備から導入を進めることとし、様々な水車の導入試験を行ったのです。

地域のNPO法人であるやすらぎの里いとしろが主体となり、2009年にはらせん水車を、 2011年には上掛け水車を導入しました。

この頃からは石徹白には見学者が急増することになり、住民の方々は小水力発電に対する印象が良くなったのでした。

そして2014年には新たな小水力発電の事業主体となる石徹白農業用水農業協同組合を設立し、2016年に石徹白番場清流発電所が稼働を開始したのです。

石徹白番場清流発電所

初めての売電事業を目的とした地域主体の小水力発電、石徹白番場清流発電所。

その総工事費は2億4000万円。

発電した電力は全て電力会社へ売電し、年間約2400万円の収入を得ています。

発電事業で得られた収益は、発電所建設費の返済、集落の街灯や公民館の電気代、農業再生のための費用に充てられています。

地域活性化のさらなる効果

水車を見学したいなどの理由で、石徹白には年間約800人の見学者がいらっしゃるとのこと。

また2022年現在、住民約220人のうち50人が移住者のご家族なのですから、移住者が増えていることがわかりますね。

存続の危機にあった石徹白小学校の児童数も、2016年度は4人だったのが、2019年度には9人まで増えました。

小水力発電は地域活性化のきっかけを担ったことを考えると、やはり大きな役割を果たしていることがわかります。

まとめ

小水力発電による地域活性化の話題を取り上げましたが、いかがだったでしょうか。

やはり小水力発電は、再生可能エネルギーの中で最も地域活性化に役立つと言えるでしょう。

今後のますますの普及に期待したいですね。

・備考:

きっかけは水力発電。岐阜の小さな集落・石徹白が自治の精神を取り戻すまで || 平野彰秀|Latest|Meguriwa(めぐりわ)
https://meguriwa.life/latest/detail.php?p=3&id=55
地域おこしを支える「水への信仰」の記憶 │60号 水の守人:機関誌『水の文化』│ミツカン 水の文化センター
https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no60/07.html
郡上市「小水力発電事業者を公募します」
https://www.city.gujo.gifu.jp/admin/info/docs/363b169ccf29a064f3031b1fe6d7a9b3029429ed.pdf
全国一の水流を生かして小水力発電、山奥の古い農業用水路も電力源に:エネルギー列島2016年版(21)岐阜(2/4 ページ) – スマートジャパン
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/13/news018_2.html
「地域の宝」農業用水を活かした、全世帯参加の発電プロジェクト!–岐阜県・石徹白集落の小水力発電– [前編]|Happy-Energy [ハッピーエナジー]
https://happy-energy.jp/column/index011.html
小水力を利用した山間部の地域づくり – 岐阜県郡上市白鳥町石徹白地区 | 全国ご当地エネルギー協会
http://communitypower.jp/615
小水力発電は環境に優しい!その概要と課題を解説します
https://tsunagood.net/small-hydroelectric-power-generation/
【再エネ最有力!?】風力発電のメリット・デメリットを解説します
https://tsunagood.net/advantages-and-disadvantages-of-wind-power-generation/
地熱発電は環境に優しくて安定電源!でも日本で普及しない理由
https://tsunagood.net/geothermal-power-is-stable-power-source/

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