マイピックアップNo. 63

SDGs×旅の在り方。アフターコロナの新基準「サスティナブルツーリズム」って?

「持続可能な観光」を意味するサスティナブル・ツーリズム。

国連世界観光機関(FAO)によると、持続可能な観光とは、現在と未来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮し、訪問客、企業、環境、受け入れ側の地域のニーズに対応した観光と定義されています。

すなわち、その地域の環境や文化、暮らす人々に配慮して観光地本来の魅力を損なわないようにという考え方のことリゾート地の乱開発による森林伐採や海洋汚染、観光地の過度な商業化を回避して、観光業も住民の暮らしも守る、歴史的反省の意味合いもあります。環境先進国・オーストラリアを事例に、サスティナブルツーリズムへの解像度を上げましょう。

 

◎「オフグリッド・グランピング」で自然とつながる

二酸化炭素や窒素などの温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーで電力消費をまかなう、サスティナブルなホテルが続々登場しています。今回ピックアップする、環境先進国オーストリアのオフグリッド・グランピングも持続可能な観光を体現するトレンドの一つ。地球への配慮を欠かさない、社会問題と向き合うホスピタリティー産業が欧米諸国の新主流です。言いかえるなら、こうした環境への配慮や社会問題に向き合わない企業やサービスは淘汰される可能性も現実味を帯びています。

オフグリッドとは、独立した電力網や電力を自給自足できる状態のこと。グランピングは、グラマラス/glamorousとキャンピング/campingをかけ合わせた造語を意味します。オフグリッド・グランピングとは、上記2つを組み合わせた「太陽光発電を主電源化とする環境に配慮された宿泊施設」。すなわち、環境負荷の少ないサスティナブルな設備を備えたホテルです。

今後、旅行者が旅先や宿泊先を選ぶ上で、エコ・ツーリズムやネットゼロ・カーボンホテル(カーボンニュートラル認証ホテル)といった地球への優しさやSDGsへの貢献度は重要な評価軸。もはや不可逆的な潮流です。

サスティナ時代を生き残るため、日本の観光産業も早晩こうした舵を切るでしょう。

Kazuki

米国・ニューヨーク州在住の環境ライター/3児の母。好きなコトバは「人生は美しい。人生は甘美だ」(ブッダ)。知るために、書く。書いて、つながる。がモットーです。

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