低炭素ではなく脱炭素。どこまで進んでいるの?今の最新報告とは。
こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。
脱炭素を目指すと決めた気候変動対策の国際枠組み【パリ協定】の採択から8年経ちました。低炭素という節電対策という概念ではなく、脱炭素という概念(出さないか、出したとしても出した分を同じように吸収させる技術をもつもの)はどこまで発展してきているのか、今回はそこに対しての最新情報をシェアしていきたいと思います。
2050年までの脱炭素(カーボンニュートラル)つまり、温暖化ガスの排出実質を実質ゼロにしていくことをめざしている国は140カ国を超えました。そもそも宣言している国は、二酸化炭素の排出量が世界全体の排出量の80%を上回るので、当然と言えば当然のことですが、SDGs【13.気候変動に具体的な取り組みを】やパリ協定でのグローバル目標が、日本を含め多数の国が同じ方向を向き、2030年の削減目標に対して各国のリーダーも舵取りをしていると思います。2030年に目標を引き上げたのは日本だけではなかったのもそういった背景からだと思います。
では2030年までに各国の目標が達成されると、パリ協定で言われている1.5度未満に上昇を抑えることが本当に可能なのでしょうか?2023年9月最新の国連報告書によると、2030年までにカーボンニュートラル目標が達成されたとすると、世界の排出量は下方に転じる可能性はあるが、産業革命前と比べて世界平均気温の上昇を1.5度までに抑えるという目標の達成に必要な削減水準には及ばない。と報告されています。この報告は少しショックでした。
ただ技術はすでに私たちの手の中にある。とも言われています。どういうことかというと、世界的には2010年から2022年の間の12年間で、太陽光は89%、陸上風力は69%、洋上風力は59%それぞれコストが低減しています。日本の太陽光の発電コストも2013年から2020年の間に62%低減した。その背景には、ロシアのウクライナ侵攻後の化石燃料価格の上昇があり、技術のコスト競争力を相対的に高めたことで、導入を加速させているとも考えられます。
そして日本でも昨年2023年2月に「GXに向けた脱炭素投資の成否が、企業・国家の競争力を左右する時代」に突入しているとの認識を示した。いわゆる「GX経済移行債」を活用した20兆円規模の先行投資支援をすることを国が戦略を定めることで、今後10年間に150兆円超の官民GX投資を実現するとの見通しです。これによって企業がよりカーボンニュートラルに向けての実質スピードを速めるのではないかと思いました。炭素税と呼ばれるようなものや、炭素罰金などと課されるものなど今後国をあげてルール化されることもそう遠い未来ではなさそうです。
気候変動対策はもはや単なる環境政策ではなくなっています。それはひとつのビジネスのシステムとなり、脱炭素に移行する社会と市場に対応した次世代の産業がうまれ、発展させる産業政策の色彩を今後も更に強めていくと思います。それによって私たち個人もより選択を求められると思いますので、時代の流れと呼吸できるような賢い消費者でありたいと思うばかりです。