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2℃の世界が世界を変える地球沸騰化の今

こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。

珊瑚礁は沖縄にあるもの。そんな常識が覆ったのは、日本海に面した山形県鶴岡市加茂の海岸約20メートル沖の海底で、サンゴの一種であるキクメイシモドキが見つかったという記事を目にした時でした。少し調べてみると、これまで国内でサンゴが生息できる北限は新潟県の佐渡島と考えられていたそうで、今回はそこから約80キロ北上したことになります。地球温暖化の中で沖縄のサンゴが白化していることが問題視されていましたが、サンゴの生息地域が北上している事実を目の当たりにすると、温暖化ではなく地球沸騰化がものすごい速度と角度で進行していることがわかります。

自然界の形を歪ませ、異常気象が人の生活を変えてしまうのは一体何度の上昇なのか?それは、今よりも「プラス2℃」の世界なのではないか?と言われています。地球は2024年、観測史上最も暑い年になりました。2024年10月までの地球の平均気温は産業革命以前より1.6℃高いという観測が出ています。パリ協定でもお馴染みの、国際社会が目指している1.5℃以内という目標からドンドン離れていっています。異常気象がさらに深刻になり、2℃上昇も現実味を帯びています。このプラス2℃がどんな世界を作っていくのか、様々な化学的な意見が出ています。

プラス2℃の世界では、日本の洪水リスクは2倍に増す計算となっていて、世界で見るともっともっと深刻です。宅地の水没、水害の多発、干ばつといった気候変動の災禍で住めなくなる場所が増えていきます。移住を迫られる人は2050年に2億1600万人に膨れ上がると世界銀行は予測しています。映画で見た天気の子のラストシーンがまさに現実世界に投影されようとしています。

もう一つの観点は虫による感染症です。夏に生息し、人の血を吸い、痒みという不快感をもたらす小さな生き物蚊もそのひとつです。蚊は生物の中で最も多くのヒトを殺傷してきたようです。あんなに小さいのに人間にとっては脅威の生き物。なぜなら、デング熱のウイルスを媒介するのも蚊だからです。種類は、ヒトスジシマカ。今そのヒトスジシマカは、日本の北海道へと生息域を広げようとしているそうです。1950年には関東以南でしか生きられなかった蚊も、2015年に青森県で確認されていますし、このままだと津軽海峡を越えるのは相当早期であるとの予測も出ています。ペンシルベニア大のキャスリーン・ホール・ジェイミソン教授は「重い感染症をもたらす蚊に出くわすのは異国とは限らない」と警告していますが、この蚊の問題や、危機感は専門家以外には、十分に認知されていないのも事実で、約1000人を対象に実施した同大の調査では、デング熱や西ナイル熱にかかるのを心配する人は16%しかいなかったそうです。科学者と一般人の認識の差が開き過ぎていることが現代の問題のひとつでもありそうです。

蚊だけで終わらずに、気候変動で活動の場を広げるのは、ダニ.ノミ.コウモリも感染の原因となると言われてます。ハワイ大学では気候変動により世界で200種超の感染症の患者が増えていると警告されています。新型コロナウイルス感染症対策分科会会長を務めていらっしゃった尾身茂さんは「地球温暖化は間違いなくパンデミックを起こす背景要因の一つだ」と指摘されていました。

地球沸騰化の中で、住むところがなくなるのかそれとも住むところがあっても感染症の危険が非常に高く恐怖に怯える日々を送るのか…たかが2℃されど2℃。この2℃に未来のライフスタイルが詰まっていると言えそうです。

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