SDGs開発目標11でつなぐネットワーク、 地域循環共生圏という考え方
皆さんは地域循環共生圏という言葉をご存じでしょうか。
持続可能な社会を目指して環境省の定めた考え方でもある地域循環共生圏ですが意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
地域循環共生圏とは
自分たちの元にあるものの可能性をもう一度考え直し、有効活用しながら環境・経済・社会をよくしよう、資源を融通し合うネットワークをつくっていこうという考え方です。
生態系サービスと呼ばれる自然の恵み
私たちの生活は生態系サービスと呼ばれる、森里川海からもたらされる自然の恵みに支えられています。自然から得られる資源とエネルギーが地域の衣・食・住を支え資源は無駄なく利用され、循環されていました。
しかしながら、戦後のエネルギー革命、工業化の進展によって地域の自然の恵みにあまり頼らなくてすむ暮らしに変化していきました。
これらの工業化の影響により、自然の恵みは損失し、地域の産業や文化の衰退、拍車をかけていきました。
そこで、地域の資源を活かした自立・分散型の社会づくりの取り組みを、既に全国で進めていこうということになりました。
地域の自然資本が生み出す資源や使われなくなった資源を活用
することで、地域の外に流出しているお金を減らし、地域外からお金を獲得し、お金を地域で何度も循環させることにより極力地域の外に影響されない安定した地域作りが可能となるのです。
この地域循環共生圏という考え方は、地域の外からの支援に大きく依存しているエネルギーに着目しており、地域で使うエネルギーをどうやって作るか、無駄なエネルギーの消費をどう避けていくかが重要となっています。
そのため、脱炭素都市、ゼロカーボンシティなどの炭素を排出しない街作りを考えるなかで、どう温室効果ガスを排出させずにエネルギーと地域で作っていくべきかに注目が集まり、再生可能エネルギーの利用、地域の住宅や会社などの建築物のZEB化などに着目が集まっているのです。
脱炭素を考える中で、広い視野で日本を見て環境問題について考えることも重要ですが、まずは身近な自分の住む街、故郷などの持続可能性についても地域の資源の循環という点に着目して考えてみることもいいかもしれません。
実績地域として登録している自治体、団体は北海道(石狩市など)から沖縄(宮古島)まで101団体ほど。
関東だと神奈川県川崎市、小田原市や東京港区の東京湾再生官民連携フォーラムという団体が取り組んでいます。