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ミートフリーデーを知っていますか? – 食卓で考える環境と世界の飢餓問題

ミートフリーデーという言葉をご存知でしょうか?

 

2009年、元ビートルズのポール・マッカートニー氏が、畜産業が環境に与える負荷の大きさに着目し、「月曜日は肉類を食べないようにしよう」と提唱しました。これが、「ミートフリーマンデー」運動です。これを発端として、世界各地で月曜日に限らず「週に1回は肉食をやめよう」という活動が世界各地で盛んになりました。

日本でも数年前に女性タレントがSNSで「ミートフリーデー」に言及して話題になったので、覚えている方もいるかもしれません。

 

では、畜産業が環境に与える負荷とはどのようなものでしょうか?

 

それは、家畜(主に牛)のゲップによるメタン排出と家畜排せつ物の管理に起因する温室効果ガスの排出です。FAO(国際連合食糧農業機関)の指摘によると、この両方を合わせて農業セクターからの排出量の約65%を占めているとのことです。

 

畜産業の側でも、持続可能な畜産を目指し、畜産に起因する温室効果ガスの削減に取り組んではいますが、そのような業界の取り組みと併せて、わたしたち消費者側が、食肉の消費量を減らしていけば間接的に環境負荷の低減になるのではないでしょうか。

 

 

さらに畜産業には、SDGsに関わるもう1つの重要な問題があります。それは、穀物の飼料としての消費です。同じくFAOの統計によると、世界で消費される食物のうち、人が食べる食用としての消費が43%で、家畜や養殖魚の飼料としての消費が37%となっています。残りの20%は、バイオ燃料や甘味料の原料として消費されているそうです。

 

飼料やバイオ燃料などの食用以外で使われる穀物の作付面積をできるだけ減らし、食用の穀物の作付に回すことができれば、世界の飢餓の問題解決の一助となる可能性があります。

 

もちろん、温室効果ガスの問題も、飢餓の問題も、ただ肉食を減らすことだけで解決できるものではありません。週に1日のミートフリーデーなんて中途半端で役に立たないという指摘もあるかもしれません。

 

しかし、たとえ直接目に見えるような効果が表れなくても、肉を食べないという行動が、環境問題や飢餓の問題について考えるきっかけとなり、自分の行動のひとつひとつが、世界の諸問題につながっているのだという意識を持つことができると思います。

 

「肉を食べない」というと、過激な菜食主義者を連想し、なんとなく敬遠したくなるという方も多いかもしれませんが、ミートフリーデーにはそもそも厳密なルールはありません。

 

週に1日が難しければ1か月に1日でも、あるいは明日だけお試しで、でも構いません。もし肉食が大好きで毎食お肉を食べている、という人であれば、まず1日のうち1食だけ、意識してお肉を抜くだけでもいいと思います。

 

一人ひとりのほんの少しの行動の変化が意識の変化につながり、やがて大きな変化を生み出していくことになるでしょう。

備考:

https://www.fao.org/home/en/

https://www.alic.go.jp/index.html

https://www.meatfreemondayjapan.com/

 

UnsplashJoachim Süßが撮影した写真

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