電気自動車で目指す、脱炭素社会
街中でよく見かけるようになった電気自動車(EV車)。2022年に軽EV車が発売されてから、より多く見かけるようになりました。
デザインも洗練されており、走行音も静かですよね。
そこで、なぜ電気自動車の発売が増えてきているのか、ガソリン車との違いやメリットデメリットを調べてみました。
なぜ電気自動車の発売が増え、推奨されているのか
日本政府は、2050年までに脱炭素社会を達成することを目指しています。
脱炭素社会とは、地球温暖化や気候変動の原因となる温室効果ガスのうち、一番排出量の多いCO2の排出を「実質ゼロ」にすることを達成している社会のことです。
「実質ゼロ」の❛実質❜というところは、最大限CO2排出を抑えたうえで、どうしても削減しきれなかったCO2の排出量から森林管理や植林による吸収量を差し引いて、実質的に排出量をゼロにすることを意味しています。この状態を「カーボンニュートラル」とも呼びます。
ガソリン車は、国内のCO2排出量の16%を占めていると言われています。
それに比べ、電気自動車は電気で動くモーターによって走るので、走行中にCO2を排出することがなく、脱炭素社会の実現には欠かせない存在であることは間違いありません。
そのため、政府は「2035年までに新車販売=電気自動車100%を実現する」と発表しています。
また、最近の原油価格の高騰も、EV車浸透の追い風になっているように思います。
電気自動車のメリットデメリット、ガソリン車との違い
【電気自動車のメリット】
■燃料費を抑えられる
100㎞の距離を通常走行する場合、ガソリン車は800円以上かかるのに対し、電気自動車は300円ほどで走れると言われています。深夜に充電すれば、深夜割でさらに費用を抑えることができますね。
■減税・補助金が受けられる
電気自動車を購入すると、国や自治体から補助金を受けることができます。また、税金の優遇制度もあり、自動車取得税・自動車重量税・自動車税が免税や減税の対象となります。
■走行音が静かで、振動が少ない
エンジンでガソリンを燃焼させるガソリン車に比べ、電気自動車はバッテリーに蓄えた電気でモーターを動かしているため、走行音が静かで振動が少なめという特徴があります。
それでいてスムーズな発進や力強い加速ができ、走行性能はガソリン車を上回るとも言われています。
■大規模災害時も活用できる
電気自動車には蓄電池が搭載されているため、非常用電源として活用できます。
【電気自動車のデメリット】
■販売価格がガソリン車の約3倍
軽自動車で比較してみると、ガソリン車は100万円台で新車を購入できるのに対し、電気自動車は300万円ほどと販売価格が高くなります。補助金を使っても、ガソリン車に比べるとまだまだ高い買い物となります。
■航続距離が短い
電気自動車の航続可能距離は、充電1回あたり200~600㎞と言われており、それに対しガソリン車は1回の満タン給油で600~1,500㎞走行可能と言われています。電気自動車は近距離移動には問題ありませんが、長距離移動が多い方には少し不安ですね。
■充電に時間がかかる
ガソリンの給油は5分もあれば満タンにできますが、電気自動車をフル充電するには、家庭や充電スタンドの普通充電器で4~8時間、急速充電器を使っても約30分ほどかかってしまいます。
■充電スタンドが充実していない
電気自動車の充電スタンドは年々増えてきており、車の保有台数の減少や燃費がよくなったことでガソリンスタンドが減少していることもあり、現在はガソリンスタンドの数と変わらないほどですが、コンビニや大型商業施設、カーディーラーやホテル、サービスエリアなど少し使いづらい場所に設置されており、各スポットに1~2基しかないところも多いです。
ガソリンスタンドに充電設備が設置され、洗車の拭き上げをしながら充電できるような施設もできているようなので、今後ますます充電スタンドが充実していくと安心して電気自動車を導入でき、普及が進んでいきそうですね。
■火力発電による温室効果ガスの排出
日本の電力の多くは石油や石炭などを原料とした火力発電に頼っているため、電気自動車の生産・充電のときにも温室効果ガスを発生してしまいます。ガソリン車の排出量に比べれば火力発電による排出量は少ないようですが、火力発電から再生可能エネルギーによる発電に転換していくことがより脱炭素社会に近づくために大切ですね。
まとめ
今後ガソリン車の生産が少なくなったり中止されると、将来的にガソリン車には乗りにくくなるでしょう。それは、13年以上経過した古いガソリン車は「環境負荷の大きい車」として税金が加算され維持費が高くなってしまうし、ガソリン車が減るとガソリンスタンドも減り、気軽に給油できなくなってしまうからです。
脱炭素社会を目指す上での環境への影響はもちろん、それだけでなく将来的な生活を長い目で考えると、車の買い替えを検討するときには電気自動車も視野に入れるべきだと強く思いました。