暮らしNo. 852

「言いたいことが言えないストレス」をゼロにする、最強の話し方「アサーション」実践ロードマップ

日本人の8割が抱える悩み?あなたの「我慢」が限界を迎える前に:なぜ私たちは「言いたいこと」を飲み込んでしまうのか?

「本当はそうじゃないのに」「なぜ私ばかり」――。そう心の中で呟きながら、自分の意見や要望を飲み込み、ストレスを抱え込んでいませんか?

他者との協調性を重視するあまり、人間関係で疲弊し、自分の気持ちを後回しにする話し方は、知らない間に心身に負担をかけ、あなたのQOL向上(生活の質)を大きく阻害します。

自己表現には大きく分けて3つのパターンがあります。

  1. 非主張的(ノン・アサーティブ):自分の意見を抑え込み、相手を優先する話し方

  2. 攻撃的(アグレッシブ):自分の意見を押し通し、相手を威圧・無視する話し方

  3. 主張的(アサーティブ):自分の意見を尊重しつつ、相手も尊重する話し方。(=アサーション

この「ノン・アサーティブ」な態度は、摩擦を避けたいという優しさから生まれますが、結果的にストレスが蓄積し、やがて人間関係の爆発や自己肯定感の低下を招きます。

この記事を読むことで、あなたはもう我慢する必要はありません。今日から使える「アサーション」という話し方をマスターし、ストレスから解放され、より豊かな人生を送るための具体的なロードマップを手に入れましょう。

ストレスフリーなアサーションの基本:自分も相手も尊重する「誠実な話し方」とは

ストレスフリーなアサーションの基本:自分も相手も尊重する「誠実な話し方」とはイメージ画像

アサーションとは、「自分の考えや感情、要求を、正直に、率直に、かつその場にふさわしい話し方で表現すること」を指します。これは自己中心的な振る舞いではなく、自分と相手の両方を大切にする、真に誠実なコミュニケーションスキルです。

アサーションの定義:「アサーション権」とは?

アサーションの根底には、「誰もが自分の気持ちや意見を表現する権利を持っている」という「アサーション権」の考え方があります。

  • 自分の考えや気持ちを正直に伝える権利。

  • 他者の意見と異なる意見を持つ権利。

  • 自分の行動について自分で責任を持つ権利。

この権利を理解し、行使することが、ストレスのない人間関係の第一歩です。

アサーションの3つの基本原則

アサーションを実践する上で重要な3つの原則を意識しましょう。

  1. 誠実であること(正直に伝える):遠回しな表現や嘘ではなく、自分の本音を正直に伝えます。

  2. 対等であること(立場は関係ない):上司、部下、親、友人、恋愛関係なく、人間として対等な立場で話します。

  3. 責任を持つこと(自分の発言に責任を持つ):自分の意見は自分のストレスを解消するためのものであり、相手を責めるものではないことを明確にします。

💡ポイントアサーションは、相手を操作したり、自分の都合を押し付けたりするためのものではありません。それは「攻撃的(アグレッシブ)」な話し方です。アサーションは、健全な自己表現であり、結果的に相手との長期的な信頼関係を築きます。

もう人間関係で悩まない!職場・学校・恋愛で活きる実践フォーマット

アサーションを実践する上で、効果的な型(フォーマット)を使うと、感情的にならずに自分の主張を伝えやすくなります。

 

【職場編】NOと言えないあなたへ:上司・同僚からの「無理な依頼」を断る技術

【職場編】NOと言えないあなたへ:上司・同僚からの「無理な依頼」を断る技術イメージ画像

職場でのストレスの多くは、「ノー」と言えないことから生じます。ここでは、依頼を断る際によく使われる「DESC法」を応用します。

DESC意味職場での実践話し方例
Describe(描写)状況や事実を客観的に描写する「〇〇部長、お声がけありがとうございます。現在、私は△△プロジェクトの納期が明日に迫っています。」
Express(表現)それに対する自分の気持ちや意見を伝える(Iメッセージ)「この状況で新たにこの業務を引き受けるのは、品質を担保できないため不安です。」
Suggest(提案)代替案や解決策を提案する「つきましては、この依頼を明日△△プロジェクト完了後に着手させていただくか、もし本日中でなければならないなら、他のどなたかにご依頼いただけないでしょうか。」
Consequence(結果)提案が通った場合・通らなかった場合の結果を伝える「(Sが通れば)そうすれば、どちらの業務も確実に遂行できます。」

 

【学校/友人編】モヤモヤ解消!意見の食い違いや約束破りに対応する

友人関係や学校でのストレスには、小さな不満が溜まっていくケースが多いです。特に「I(アイ)メッセージ」は、相手を責めずに自分の気持ちを伝える効果的な話し方です。

  • Iメッセージの構成:「(事実)が起きた時、は(感情)だと感じた。だからは(要望)してほしい」

具体例:遅刻の多い友人へ

ノン・アサーティブ:「また遅刻?信じられない。」(非難)

アサーティブ:「あなたが待ち合わせに15分遅れると(事実)、私は心配で(感情)、予定していた行動ができずストレスを感じるよ(感情)。だから、もし遅れる時は事前に連絡をもらえると嬉しいな(要望)。」

 

【恋愛編】本音で向き合う:パートナーに自分の気持ちを正直に伝える方法

恋愛関係は距離が近いため、アサーションが最も難しく、最も重要になります。感情的にならず、要望を伝えることを目指します。

具体例:デートプランでいつも相手任せな状況

ノン・アサーティブ:「いつも私が行きたいところじゃないよね。」(曖昧な非難)

アサーティブ:「は、次回は(場所・ジャンル)のような、が関心のある場所にあなたと一緒に行きたいな(要望)。QOL向上のためにも、次回はに選ばせてくれると嬉しいな。」

 

実践あるのみ!QOL向上に直結するアサーションの具体的な練習法

アサーションは知識ではなく、自転車に乗るような「スキル」です。練習しなければ上達しません。

鏡を使ったロールプレイング:自分の話し方を客観視する

過去にストレスを感じたシチュエーションを思い出し、鏡の前でアサーティブ話し方で再現してみましょう。

  • 練習テーマ:「職場の上司に無理な仕事を振られた場面」「恋愛でパートナーに不満を伝える場面」など。

  • チェックポイント:声のトーンは?表情は?言葉はIメッセージになっているか?

自分の話し方を客観視することで、改善点が見えてきます。

ジャーナリング(書き出し)で感情と言葉を整理する

実際にアサーションを行う前に、書き出しによって自分のストレスと要望を整理します。

  1. 事実の記録:「何が起きたか?」(客観的に)

  2. 感情の言語化:「その時、私はどう感じたか?」

  3. アサーティブな表現への変換:「どう伝えたかったか?」(DESC法やIメッセージを用いて)

この習慣は、突発的なストレス反応を防ぎ、計画的なアサーションを可能にします。

スモールスタートの勧め:身近な人や安全な場所からアサーションを試す

いきなり職場恋愛の深刻な場面で試す必要はありません。

  • 家族や親しい友人に「今日はアサーションを練習したい」と伝え、安全な場所で試してみる。

  • 日常の小さな決定(ランチの注文、エレベーターの利用など)で、自分の意見を明確に伝える練習をする。

小さな成功体験が、やがて大きなQOL向上へと繋がります。

アサーションは最強のセルフケア:ストレスを力に変え、QOL向上を実現しよう

アサーションは、人間関係のギブ&テイクのバランスを健全に保つための、最強のセルフケアです。

アサーションを身につけることは、一時的に勇気がいる行為かもしれません。しかし、自分の意見を尊重し、正直に表現することで、内側に溜め込んでいたストレスは解放され、自己肯定感が高まります。

「言いたいことが言えない」というストレスを力に変え、アサーティブ話し方で、あなたの人生をより自分らしく、豊かに彩りましょう。


参照

・厚生労働省「こころの耳」 労働者個人向けストレス対策(セルフケア)のマニュアル 実践編

・en world アサーションとは?企業に求められる理由とトレーニング法を解説https://www.enworld.com/employers/hiringadvice/assertion.html

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編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。

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