人権尊重を目指して突き進む人権デューデリジェンス
みなさんこんにちは。
SDGsを経済の観点から捉えた記事を主にUPしています。eSです。
2023.4.4に経済産業省から発表されたばかりの”人権デューデリジェンス(d.d)”について本日はレビューをしていきたいと思います。何を目的とした手引きなのか、実現するためにはどうしたら良いのかなどまとめていきたいと思います。
今回の人権デューデリジェンス通称d.dの公表は中小、零細など人権デューデリジェンスに馴染みのない企業にも認識を広げるといった狙いも含まれているとのことです。元々国が変えていく問題だと思われていましたが、私たち個人の意識が変えていくのだと思いました。
そもそも人権デューデリジェンスとはなんなのか?ということですが、人権侵害を改善するための手引書のことになります。
例えば…▫︎強制労働▫︎ハラスメント▫︎長時間労働▫︎賃金の未払い▫︎外国人労働者への人権▫︎インターネット上のプライバシーなど…のことです。
そしてこれからの事柄を自社グループだけで改善していけばいいというわけではなく子会社.関連会社を含むサプライチェーン全てで改善しなければなりません。そしてこの改善こそが企業やブランドのイメージに繋がります。
1990年代にナイキが東南アジアの工場で劣悪環境の下で労働させていたことが発覚し、ナイキ不買運動にまで発展しました。同様に2019年には愛媛県のタオル縫製工場で働くベトナム人技能実習生たちの劣悪な労働環境を訴える様子を取り上げた、NHKのドキュメンタリー番組をきっかけにインターネット上では企業を特定しようとする動きや、「今治タオル不買」を呼びかける声が上がるなど、今治タオルブランドをめぐる炎上騒ぎに発展したのも記憶に新しいです。
社会貢献に繋がることを知り、”だから買う”というエシカルな消費の動きと、そんな会社やブランドなら”2度と買わない”なんなら買わない方がいいというシェアが広がるのも【SDGs時代】の特徴とも言えます。そして良いシェアよりも悪いシェアの方が数倍も広がりが速いのも事実です。ステークホルダー主義が、資本主義社会を新しく変えているのがよくわかります。賢い消費者やエシカル消費者も年々増え、”安さの裏にあるもの”を追求しようとする動きも頻繁にみられるようになりました。
ファストファッション企業のSHEINは非常に安い価格で洋服を販売しており、YouTuberも爆買い動画をUPするなど若者を中心に人気のあるファストファッションブランドです。原宿にリアルショップを出し話題にもなりました。SHEINの服を作っている中国の工場の労働者は、1日に18時間働くことが頻繁にあり、週末はなく、休日は月にたった1日であることがイギリスのチャンネル4とThe i newspaperの潜入捜査でわかりました。”安さ”の理由やそのビジネスモデルを維持するための人件費が明らかになり大きな衝撃を与えました。
透明性の確保が企業やブランドのイメージアップにも繋がり、イメージダウンにもなります。
人権デューデリジェンスの手引書を作って終わるのではなく実行していくということになる中、1番求められているのは個人の意見だとも言われています。
世界を変えていくのは国ではなく企業の集合体であり、そして企業は個人の集合体です。一人一人が“誰一人取り残さない未来”を実現するために同じ方向を同じ目標と未来を見るのがSDGsです。小さな勇気が大きな未来を変えていきます。