“賞味期限をなくす”英国スーパーの食品ロス対策
突然ですが「消費期限」と「賞味期限」の違いをご存じでしょうか?
- 消費期限:この期限までなら安全に食べられる期間(例:お弁当、おにぎり、ケーキなど痛みやすい食べ物など)
- 賞味期限:品質が変わらずに美味しく食べられる期間(例:比較的痛みの緩やかなペットボトル飲料、菓子類、生鮮食品など)
前者の消費期限は日付を超えると安全性が保てない可能性もあるため、食べることは推奨されません。
一方で、後者の賞味期限は日付を過ぎてしまった場合でも、未開封で適切に保管されていればすぐに食べられなくなる訳ではありません。
しかし、多くのスーパーやコンビニでは賞味期限が間近に迫ったり、期限の過ぎた食べ物は捨てられるシステムが一般化しています。
こうした食品廃棄物は地球環境への負担はもちろん、廃棄コストや流通コストを増やし、私達消費者の生活負担を増やしかねません。
世界中で食品ロス問題の解決が急がれる中、イギリス大手スーパーを中心に急加速するのが「賞味期限の表示」をなくす動きです。
製造過程や流通段階での食品ロス対策として、イギリス最大手の小売店「マークス&スペンサー」も提供する300以上の生鮮品から賞味期限のラベル表示をなくす取り組みをスタート。
品質や鮮度を管理するコードを新たに導入し、品質管理に役立てます。
その他にも、以下のような顧客へのアイデア提案で店舗のフードロス削減に成功しています。
(1)完熟バナナを売れ残さない「Go Bananas」プロジェクト
痛む一歩手前のバナナを逆手にとり、「極上に熟れたバナナ」を約50円で格安販売。
これらの完熟バナナを使用したバナナブレッドやビーガンカップケーキのレシピも公開。SNSを中心に多くの消費者から支持を集めています。
(2)売れ残りブレッドを冷凍アレンジ販売
店舗で売れ残ったバゲットを「冷凍ガーリックブレッド」に加工販売するアイデア商品も販売開始。
お値段もお手頃かつ冷凍することで保存期間も30日間まで延長。いますぐご家庭でも真似できる画期的アイデアですね。
日本の小売業でもこうしたアイデアや工夫を盛り込んだ商品開発を展開できれば、消費者の共感を得るプロモーションやマーケティング活動に貢献するのではないでしょうか。
※参照
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
※画像出典
https://www.producebusinessuk.com/ms-targets-food-waste-in-latest-scheme-25p-bananas/