古着が地球を救う?今すぐ始めたいアップサイクルのすすめ

クローゼットに眠っている服、ありませんか?「もう着ないけど捨てるのはもったいない」そんな服が、実は地球環境を守る大きなカギになるんです。今回は、日本で深刻化している服の廃棄問題と、古着を生まれ変わらせる「アップサイクル」の魅力をご紹介します。
日本では毎年約82万トンもの衣類が供給され、そのうち約7割にあたる56万トンが家庭や事業所から手放されています。もっと驚くのは、年間で供給される約29億着の衣服のうち、約15億着もが売れ残り、その多くが新品のまま廃棄されているという事実です。
つまり、作られた服の半分以上が誰にも着られることなく捨てられているんです。まだタグがついた新品の服が、ゴミとして燃やされている光景を想像してみてください。なんだかもったいないですよね。
なぜこんなに捨てられるの?
この問題の背景には、私たちの消費スタイルの変化があります。ファストファッションは安く・早く・大量に商品を供給するビジネスモデルで、短い期間で次々と新商品が登場するため、企業は常に多くの衣服を生産し、売れ残りが出やすくなります。SNSで見たトレンドの服を気軽に買って、すぐに飽きて次の服を買う。そんなサイクルが当たり前になっていませんか?
環境省のデータによると、国民一人当たりの年間平均で購入枚数は約18枚、手放す数は約15枚、着用されない服が35枚もあるそうです。クローゼットに眠る35着の服たち、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
服の廃棄が地球に与える影響
服1着ができあがるまでには、500mlペットボトル約255本分のCO₂排出量が出て、バスタブ約11杯分の水が消費されます。さらに廃棄する際にも、焼却処分で大量の温室効果ガスが発生します。
世界全体で見ると、2015年の時点で年間約9,200万トンもの服が廃棄され、そのうち82%が焼却や埋め立てで処分されており、わずか18%しかリユースやリサイクルされていません。このままのペースが続けば、地球温暖化はさらに加速してしまいます。
アップサイクルって何?資源を大切にする意義

「アップサイクル」という言葉を聞いたことはありますか?アップサイクルとは、産業廃棄物に新しい価値を加えて作りかえることで、捨てられるはずだったモノの特性を活かしながら、新しいアイデアを加えて生まれ変わらせ、そのモノの価値をアップデートさせるという考え方です。
簡単に言えば、「ゴミを宝物に変える魔法」のようなもの。単に再利用するリサイクルとは違い、元の製品よりも価値を高めて新しい製品に生まれ変わらせるのがポイントです。
なぜアップサイクルが重要なの?
既存の服を活用することで水やエネルギーの節約になり、例えばTシャツ1枚を製造するには約2,700リットルの水が使われますが、リメイクならそれをゼロにできます。着なくなった服を別の形に作り変えることで、ゴミの削減だけでなく、新たな生産によるCO₂排出も抑えることができるんです。
さらに、ファストファッションの大量生産・大量廃棄が問題視される中、リメイク古着は廃棄されるはずの服を再利用し、環境負荷を減らすことが可能で、循環型のファッション文化を広める価値があります。
つまり、古着をアップサイクルすることは、新しい服を買わずに済むから節約にもなるし、地球環境も守れる、まさに一石二鳥なんです!
今日から始められる!古着アップサイクルのアイデア集

「アップサイクルって難しそう…」と思っていませんか?実は、裁縫が苦手な人でも簡単にできるアイデアがたくさんあるんです。ここでは、初心者でもチャレンジしやすいアイデアをご紹介します。
1. 古着をアートに変身させる
古着や古布、シャツやシャツを細く切って、紙や木に貼り付けて、衣類から鮮やかな色合いとバランスのよい配色でアートのような作品が作れます。
フレームに貼り付ければおしゃれなアートフレーム。パッチワーク風に布を組み合わせるなど創作を楽しみながら、世界に一つだけの作品ができあがります。SNS映えも抜群で、友達に自慢したくなること間違いなしです。
2. 素材として分解・販売する
裁縫が得意な人や、ハンドメイド好きな人に向けて、古着を素材として販売するという方法もあります。デニム生地、レース、ボタン、ファスナーなど、パーツごとに分解して、フリマアプリで販売すれば、誰かの創作活動の材料になります。自分では使わなくても、誰かの「欲しい!」に応えられるって素敵ですよね。
3. ジーンズのポケットで簡単ミニポーチ
使わなくなったジーンズのポケット部分を切り取るだけで簡単なミニポーチが作れ、ジーンズのしっかりした生地なので小銭やアクセサリーを入れるのにぴったりです。
作り方は超シンプル!ポケット部分を切り取って、上部にファスナーやボタンをつけるだけ。ミシンがなくても、手縫いで十分です。内側に可愛い布を貼れば、開けるたびにテンションが上がるポーチになりますよ。
4. 古着でオリジナルトートバッグ
古着をリメイクした布を使ってサコッシュやトートバッグを作ることができ、オリジナルのイラストやロゴをプリントすれば自分だけのアイテムになります。
大きめのTシャツやシャツを使えば、裁断も最小限で済みます。袖部分を持ち手にして、本体を縫い合わせるだけで立派なトートバッグに!スーパーでのエコバッグとしても使えて、環境にも優しいです。
5. 古着マットで部屋をおしゃれに
処分する予定のロングコートを使ってマットを手作りでき、コートの生地をカットして三つ編みにしてくっつけると玄関マットくらいのサイズになり、質感のある布なので上質な雰囲気のマットになります。
着なくなったセーターやフリースを細長く切って、三つ編みにしてぐるぐる巻いて縫い合わせれば、ふかふかのラグマットの完成!足触りも良く、冬場は特に重宝します。
6. ストールからクッションカバー
筒状のストールをリメイクしてクッションカバーを作ることができ、中にヌードクッションを入れて端を縫い合わせるだけで完成します。
お手軽で見た目も素敵なリメイクアイデアです。気に入っていた柄のストールを部屋のアクセントとして生まれ変わらせることができます。
始めるのは今!アップサイクルで自分らしいファッションを
古着リメイクは環境対策であると同時に、無理なく楽しめる活動で、世界にひとつだけの服を作る楽しさや、既製品にはない思い入れが生まれます。
自分の手で作ったアイテムには、買った服とは違う特別な愛着が湧きます。しかも、「これ自分で作ったんだ!」と友達に言えるのって、ちょっとカッコいいですよね。
YouTubeやSNSを検索すれば、初心者向けのリメイク動画がたくさん見つかります。「古着 リメイク」「アップサイクル DIY」で検索して、まずは簡単なものから挑戦してみてください。
まとめ:小さな一歩が大きな変化に
今より1年長く服を着るだけで、日本全体で4万トン以上の廃棄量を削減できます。一人ひとりの小さな行動が、積み重なれば大きな力になります。
クローゼットに眠っている服を捨ててしまう前に、ぜひアップサイクルを考えてみてください。地球にも、お財布にも優しく、しかも自分だけのオリジナルアイテムが手に入る。これって最高じゃないですか?
あなたも今日から、古着を救うヒーローになりませんか?
参考資料
- 環境省「令和6年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務」 https://www.env.go.jp/content/000312877.pdf
- アパレルの在庫リサイクル – shoichi「【データで解説】日本における衣類廃棄の現状とは?」 https://shoichi.co.jp/sustainable/column/1353/
- 環境省・ecoo online「衣類の大量廃棄はなぜ起こる?現状と背景について解説」 https://www.re-ver.co.jp/ecoo-online/recycling-forfront/20231116.html
- 「衣服ロス問題と解決策を知ろう」 https://sustainable-switch.jp/environment/clothes-loss-210508/
- RoomClip mag「着なくなった服を有効活用☆DIYリメイクとアップサイクルのアイディア」 https://roomclip.jp/mag/archives/85242















